パジャマを着ると夕ご飯無し?
2011年09月26日 月曜日
杉並区役所で開かれた、杉並区内公私立園長学習会は明星大学の垣内先生を招いて行われました。
その中である保育園の様子が紹介されました。
6歳ななみちゃんと保育士の会話、
ななみちゃん:「ねえ先生、私はケンジが好きだから給食のときケンジにチューしてるんだよ!」
保育士:「ななみちゃんはタケシくんが好きなんじゃなかったの?」
ななみ:「なな、タケシもケンジも好き、男ってみんな好き!」
保育士:「みんな、いい男だもんね」
という会話です。
「男ってみんな好き!」という言葉に引っかからない保育士、子どもの気持ちをそのまま受け止めている様子が取りが目に浮かんでくるようです。子どもがほいくしゃを信頼しているからこのようなやり取りが自然と生まれるのでしょう。保育の仕事とは、その子と価値を共有していることです。保育者が子どもに対して大人目線で何かを教えるとか、できるようにさせるということなどは二の次でもよいことといえるでしょう。日本の保育は少し勘違いしているのではないでしょうか。
続けて、「福祉の広場』という保育誌に埼玉県立大学清水玲子先生のコラムを紹介されました。
ある保育園で、年長の男の子J君がしみじみとした口調で、「先生、オレ、きのうショックなことがあったんだ!」とM先生に語りだしました。
「何があったの話してみて?」、「あのね、おうちに帰ってからご飯を食べる前にパジャマに着替えたらママが、ご飯食べないで寝るんだと言ったの。だから、オレ、なんか食べるものありますか?って聞いたら、納豆ってママが寝転がったまま言うから、冷蔵庫から納豆を出して混ぜたの」、
「へー、自分で混ぜられるんだ」とM先生。「うん、でもそれだけじゃ味が薄いんだよ。だから醤油入れたいなと思って、醤油どこですか?ってママに聞いたら、棚って言うから、探して醤油入れたらドボドボ入って変な味になってショックだった」。
M先生はこの話を聞いた時のことを保育日誌にこんなふうに書いた。全部書き終わる前から胸がキューとなる思いで一杯になった。その日のお迎えはいつもより早かったのに、母親はご飯の支度をせずにいたのでJ君は先に着替えてしまったのだろうか、なぜ、母親に敬語なのだろう、J君がこんなにも重たいものを背負っているから、大人を信じけれなかったり激しさでしか表現できないでいたのだろう。J君がショックだったのは納豆が変な味になったことではなく、この出来事全てだったのではないか、こういう生活を送っているオレのことを知ってほしい、解ってほしいという心の叫びだったのではいか。
一年前には私を拒否し身体に触れることも許さなかったJ君が、昼寝の時に足をさすられて「ああ、気持ちいい」と言うようになり、家での出来事まで話してくれるように変化していることを思うと、少しはJ君の役に立てたのかなと思えた。
このコラムには様々な課題が内在しています、親の思いと子どもの気持ち、大人と子どもの力関係、家庭と保育園の関係、園ができる支援など…。M先生のように目の前にいる子どもの気持ちを受け止めて、子どもが安心して自分を表現できる環境づくりが基本になっているのですね。
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