『もういらない』
2021年05月28日 金曜日
『もういらない』と自分でエプロンを外す2歳児の子がいました。食器の中を見ると、ほとんどご飯だけしか食べていないようです。
ずっと以前参加した食育の研修会で、食事提供の仕方として『無理強いすると2度と食べられなくなる可能性がある』『他のものと混ぜたりだまして口に入れたりすると疑心暗鬼になり安心できる食べ物ではなくなってしまう』ということを十分考慮しなければならないと学びました。生きるためには食べなければなりませんが、子どもたちには感覚的に食べられないものがたくさんあるようです。
それ以後、自分の『食べてもらいたい』という思いだけが強く出ていないかを振り返るようになりました。食べることへの意欲や感覚は一人ひとり違い、発育状況への配慮も必要ですが、その子に合わせた提供を大切に、子どもたちが素直に「もう食べられない」「これは食べられない」という気持ちを表現できることも大切にしていきたいと思っています。
偏食や好き嫌いや少食など食べることでの課題はたくさんあり、『給食の提供の仕方』はよく保育者の中で議論されますが、そんな子供たちがいかに『栄養バランス良く』『楽しく意欲的に』食べてくれるのか・・・。その2歳児の担任も美味しさを添えた声掛けをしながら、優しくそして無理強いすることなくあの手この手で試行錯誤していました。この子はいつかきっと『ちょっと食べてみようかな』と自発的に食べる日が来るのだろうと思いながらその光景を微笑ましく眺めていました。
保育主任
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