生きる姿勢
2020年07月06日 月曜日
90歳の母が、ヘルパーさんやデイサービスの方のおかげで元気に過ごすことができています。若いころと比べて体は一回りも小さくなっています。90歳になって定期的にお医者さんに行く必要がないのは、本人の健康に対する努力があったからだと思っています。気力も十分にあり、背中は90度に折れても杖を使って上手に歩いています。
居間で二人で話しているときに、私が‘もう少し体を起す姿勢が取れればいいよね’というと、「どうすればいいかい?」と聞いてきたので、‘体を伸ばす練習をするといいよ’というと、再び「どうしたらいいかい?」とすぐにやる気を示してきました。そこで‘いち、に、さん’声を出しながら手すりにつかまって体を少し立てるような動きを伝えると、母が椅子から立ち上がって手すりまで移動して“いち、に、さん”と声をかけながらつかまり立ちを始めました。まさかすぐにやるとは思っていませんでした。すぐに行動に移す母の姿に驚きました。運動というか身体伸ばしを終えると一呼吸してから、“ありがとう、これで少しは身体も伸びるよ”と言って椅子に腰を下ろしました。
耳が少し遠くなり、会話が途切れることもあります。身体の動きもゆっくりとなっています。自分のできないことも多くなっていますが、その分「ありがとう」と感謝する言葉が多くなっていました。
わが子から教えられたときに「ありがとう」と言う母の姿に“老いる姿”を教えてもらいました。
母と接しているとこれから自分も体験していく老いる姿が分かります。先に人生を歩んでいる母が、そのあとに続く私に身をもって示しているのだとあらためて思いました。
園長
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