役割交代
2020年01月17日 金曜日
0.1歳児クラスのあぞびのゾーンには、『静』と『動』の環境があります。『静』のゾーンは、様々な玩具があり、『動』のゾーンには上ったり下りたりぶら下がったり、体を使った遊びができる広い空間があります。
『静』のゾーンの中にもおままごとゾーンや机上遊びゾーン、ブロックゾーン、絵本のゾーンなどがあり、子ども達は自ら遊びたいところへ行きます。時にはブロックがおままごとの材料になったり、おままごとゾーンにある人形を抱っこしてブロックゾーンにピクニックに行くこともあります。子どもたちの遊びは無限で大人の予想を上回って様々な発想で展開していきます。
しかし、動のゾーンに玩具が散らかっていると思い切り体を動かす際、少々支障があるため、『動』のゾーンにはなるべく、玩具を持ち入れないように子どもたちにはお願いしています。
そんなある日、1歳児のS君が『静』のゾーンから『動』のゾーンへ移動していきました。するとそこに0歳児のA君が電車の玩具で遊んでいました。それを見つけたS君は何やらA君に話しかけています。でも、A君はS君に話には耳を傾けず、遊び続けていました。そばにいた私にも「玩具を持ってきているよ」目で合図しているように感じました。
その後、S君は様子を見ながらそっと、電車の玩具を取り上げました。しかし、A君はなぜか嫌がることはなく、それを見て安心したのか、S君は電車の玩具を『静』のゾーンに片づけに行ってくれました。そして戻ってくると「片づけてきたよ」と言いたげに嬉しそうな笑顔を見せてくれました。
その様子を担任に伝えると、S君に以前何度か「こっちにはおもちゃを持ってこないでね」と伝えたことがあったそうです。やってもらったことをやってあげる立場になった姿でした。役割交代です。
子ども達はやってもらう体験から学び、同じようにやってあげる事ができます。そう考えるとやられて嫌だった体験もやってしまうということです。S君のA君に対する優しい対応は、保育者がそうしていたのだと想像できました。
保育主任
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