ママにあげる!
2019年10月10日 木曜日
陽射しがまぶしい8月でした。午前の園庭遊びの終了を知らせる音楽が流れてきました。2歳になったOちゃんが皆より少し早く園庭から戻ってきました。Oちゃんの小さな手にはかわいい花が握られていました。『Oちゃん、楽しそうだね。手に持っているお花はお部屋に飾るの?』と聞くと、Oちゃんは『ママに!』と言って階段を上がっていきました。
一歳を過ぎたころから、砂場や園庭で遊ぶ子どもたちは自分の興味を持ったことに集中し遊んでいます。砂の感触を楽しむ、砂を山にしている、型にはめてごっこ遊びをしている、と様々な遊びを展開しています。この同じ場で遊んでいることが、ほかのお友だちといっしょに行う遊びにつながっていきます。お友だちと遊ぶことで泣いたり、笑ったり、怒ったりと様々な出来事が起こってきます。そういう経験をしながら、自分の行動が受け入れられているかを知ったり、お友だちの思いを理解したりして幼児は成長していきます。
乳幼児が遊んだり、行動しているときは自分が楽しいから、やってみたいからという思いで砂場遊びなどをしています。目の前の環境と自分が一体化しています。
今、乳幼児が育つ環境にあって大事にしていることは、『自らの意志で』考え行動することです。
Oちゃんは、きれいな花を見て『ママにあげたい!』と、目の前のお花と自分の間に“ママ”がいました。“ママの喜ぶ顔”がお花を見た時に見えていたのでしょう。乳幼児期に見られる“自分のため”に周りの環境があるという行動から、環境を通して“他者のため”への行動へと成長している姿を見せてくれました。
園長 田中基之
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