研修に参加して
2019年09月19日 木曜日
昨日、「発達障害と災害」の研修会に参加してきました。はじめに発達障害について教えていただきました。そして災害時に課題となることとして“居場所(の環境)、物資(の受給)、情報(の収集)、理解(してもらうこと)の課題”と3つの「安」を確保することの大切さを教えていただきました。
先日も災害時の対応として育子園でも地震や火事を想定して訓練をしました。子どもたちの安全を守るための行動の訓練でした。この避難訓練は「身の安全」を主として行いました。
大規模な災害が起きた時は、環境が大きく変化してしまいます。元の生活に戻ることが困難な状況も起こります。その時に初めに確保しなければならないのが「安全」です。“親子に必要な安全”として「危険からの回避」、「食事や睡眠の保証」、「けがや病気のチェックと処置」、「衛生への気遣い」等を配慮していきます。次の安心にもつながりますが、発達障害の子どもにとって他の子どもより環境の変化、周囲の話、絶望的な会話などが安全な場所を阻害していきます。
次のキワードとして「安心」があげられていました。“親子に必要な安心”として「一人でないことを伝える」。いつも傍らにいることが安心感を与えます。しかし、そばにいられないときに安心感が与えられるのが、「好きなもの、使い慣れたもの」なのです。東日本大震災のとき親が離れなければいけないときに、それがあると安心を与えられたとのことでした。大人でもいつも使っている物が手元にあると安心します。こどもには、災害時の避難用バッグには入れておくとよいと教えていただきました。二つ目に「どんな感情も否定しない」を聞いて、自分の価値を押し付けてしまいがちな私にとっては金言でした。三つ目の「繰り返す質問に忍耐強くこたえる」というのも、徹底した相手中心なのだとかみしめました。
三番目は“安定”でした。もともとあった日課や習慣を回復する。難しい場合には新しい日課やルールを設定するということでした。毎日していること、見通しが持てることとのことでした。見通しが持てるようにするとは、「次に何が起きる」かを伝えていくことなのだと教えてもらいました。また、「主体的に参加する、選択できる機会」が安定を与えるのだと教えていただきました。
この三つの安は、ちょっと調子が悪い時や心が不安定なときには誰にとっても必要なことです。子どものそばにいる者として“明るく、優しく、温かく”生きることの大切さをかみしめさせていただきました。
育子園では日頃から、「自立した生き方、主体的な生き方」子どもとともにに取り組んでいます。
園長 田中基之
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