チーム保育だね
2019年05月30日 木曜日
今日もみんなが元気に登園して来ました。9時を過ぎるころには各部屋から子どもたちの明るい声が聞こえてきました。園全体が活気に満ちてくる時間帯です。朝の会が始まるまでの自由時間、子どもは楽しく過ごしています。
低年齢のA君は、保育者が他の子のお世話のため、視界に入っていながらもまだ順番が回ってきていませんでした。自分の要求を少しでも早く受け入れて欲しいのか、“うぇ~ん、うぇ~ん”と泣いていました。
A君の前には保育者が用意してくれた一冊の「電車の本」が置いてありました。ページを開くと日本中を走っているたくさんの電車の写真が載っていました。「この電車は赤色だね!、こっちは緑の電車だ!」と話しかけながら見ていると、A君はこっちの顔を見ながら「この電車同じ色だよね」という顔をして同じ色の電車を指さしてきました。一通り見て本を閉じると「もう一回、読んでほしい!」と、A君は絵本をとって開きました。今度は電車の走る音を表現して「この青い電車は速そうだね、びゅーっと走っているよ!」、「これは、新幹線だね! びゅん!!と走るんだよ。一番早いよね。」と電車ごとに解説を入れながら読んでいきました。ちょうど読み終わった時にN保育者が微笑みながらA君のそばに来ました。A君は嬉しそうな顔をしてN保育者に抱っこされていきました。
日頃、当園では乳児担当の保育者がチームを組み複数で子どもを見ています。
また、ある時は赤ちゃんが保育者を選んでいるときがあるといいます。今回のA君がそうでした。A君が泣いている時、手が空いていたのがわたしでした。A君は、ときどき園庭で遊んでくれる私を覚えていて選んだのでした。そして一緒に本を見ることで満足することができたのでした。その後A君はいつも保育してくれているN保育者を選んだのでした。状況によって保育者を変えていきました。今回はA君にとってはちょっとした要求だったので、私との関わりを受け入れたのでした。「不安なときや情緒が不安定なときは必ず乳児チームの保育者の中から人を選びます。チームという複数の保育者との愛着形成があるからでしょう」(0・1・2歳の『保育』藤森平司著)とあります。今回、A君との関わったことで「チーム組んで保育をしていくことは、子どもが多くの人との関わりの中で学んでいくための態勢である(同・前記)」ことを確認させていただけました。
園長 田中基之
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