わたしの焼芋
2018年11月28日 水曜日
この秋、園で“秋の美味しいもの会”が行われました。メインとなった食材は空中菜園といわれる倉庫の上にある野菜畑で獲れたサツマイモです。春に植えた苗が11月には立派なお芋を付けました。そのお芋をきれいに洗って新聞紙で巻き、さらにアルミホイルでくるんでたき火の中に入れました。焼きあがったお芋をみんなで園庭に出て笑顔いっぱいでいただきました。
焼芋は、私にとっても思い出の食べ物になっています。小学生のころ、兄と小枝や庭の落ち葉を集め焼芋を作る準備をしていました。ちょうど日曜の午後だったので叔父が久々にやってきました。火の中に入れる芋が洗ったままの状態で置かれているのを見た叔父は、「このまま、お芋を火の中に入れたら真っ黒になって食べれなくなるぞ、ちょっと待ってな!」と言って家の中に入っていきました。家から出てきた叔父の手には濡れた新聞紙とアルミホイルが用意されていました。「いいか、もとゆき、焼芋にするときはまず濡れた新聞紙で巻くんだ。それからアルミホイルに包んでな。」と言いながら火の中にお芋を入れてくれました。そうなんだと感心しながら聞いていました。「それじゃ、もとゆきも巻いてみな!」と新聞紙とアルミホイルが手渡されました。叔父の作ったお芋を手本としながら自分でも作りました。。「こうやって新聞紙とアルミホイルで巻くとだな、芋が焦げないでできるんだぞ!」と。そして火勢の落ちたところで「いいか、火の勢いが落ちたらいれるんだ」と火の中に入れていきました。出来上がった焼芋は、いままでの焦げた焼芋ではなく、皮がちゃんと茶色のままのきれいなやきいもでした。子どもの私にはきれいに焼けたことが嬉しくて嬉しくて、焼けたお芋を口いっぱいにして食べました。
叔父は、子どもの私が分かるように作りながら説明してくれました。出来上がったときのイメージがを持たせてくれたので、作業ではなく楽しみとして準備を進めることができました。叔父ののやさしさ、あたたかさが私の人への信頼になっていった気がします。来月、叔父の眠っている霊園で法要があります。50余年前のお礼をしてこようかなと思います。
副園長 田中基之
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