譲ったね!
2018年08月15日 水曜日
昨日の午前中、3歳児A君とMちゃん、Sちゃんの3人が給食室にお盆とコップケースを取りに来ました。給食室を出ると3人の様子が少しおかしくなってきました。3人とも先生からお願いされたことをしたくてたまりません。しかし、持って帰るものはお盆一つとコップケース一つ、合わせて二つです。お盆はMちゃんがしっかり持っています。残るはコップケース一つです。Sちゃんが運ぼうとしっかり両手に持っています。A君も運びたくてたまりません。A君がSちゃんにコップケースを運びたいと何度も言っていました。Sちゃんは目から涙が出ていました。でもA君の強い思いにSちゃんの心に変化が生じました。「(A君、持って)いいよ」と泣きながらコップケースをA君に譲ってあげたのでした。
ほんとうは、Sちゃんは自分で持っていきたくてたまりません。でもAくんの「ぼくが持っていくんだ!」という思いに、Sちゃんは、泣きたいほど自分が持っていきたいのを堪えてA君くんの思いに応えてあげたのでした。
Aくんは自分がしたいことを一生懸命にSちゃんに伝えていました。自分の思いをまとめ、相手に認めてほしい、分かってほしいと伝えていたのです。自立心が育っていました。
Sちゃんは始めこそ自分の主張をしていたのですが、A君との関わりの中でAくんの思いを受け止めていました。Sちゃんの中に育っているのは自立心であり、協同性そして「友達の気もちに共感したり、相手の立場に立って行動する」という道徳性・規範意識が育まれていました。それが「我慢する」、「譲る」という行為になって表れたのでした。
Mちゃんは二人の様子をしっかり見守っていました。
Aくん、Mちゃん、Sちゃんにみられた「自立」「協調性」「道徳性・規範意識」も日頃からの保護者や保育者との信頼や愛着が土台になっています。
後で担任の先生にAくん、Mちゃん、Sちゃんの様子をうかがうと3人は何事もなかったように仲良く教室に戻ってきたと教えてくれました。それは、関わっていた保育者さんによってAくん、Mちゃん、Sちゃんがしっかりと思いを受けとめてもらっていたことによって、3人のこころが切り替わっていたのでした。
副園長 田中
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