見守る保育の基本を教えてくれたSちゃん
2018年02月01日 木曜日
保育所保育指針の「育みたい資質・能力」を大事にしていくことがあげられています。生涯にわたる生きる力を育てるという、人の一生涯を見据えての取り組みです。「幼児期の終わりまでにでに育ってほしい姿」を幼稚園、保育所、幼保連携型認定子ども園の3施設に共通して示されています。“健康な心と体”“自立心”“協同性”“道徳性・規範意識の芽生え”“社会生活との関わり”“思考力の芽生え”“自然との関わり・生命尊重”“数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚”“言葉による伝え合い”“豊かな感性と表現”をあげられています。これらのテーマを子どもが主体性を発揮しながら身に付けていくのです。
育子園では「見守る保育」を理念に掲げ取り組んでいます。子どもができることは子どもが行い、保育者は子どもができることをしっかりと見定め、大人の手助けが求められたときは、その要望に気づいて応えてあげます。
見守る保育は、ただ見ているだけではなく、その子の発達状況、育ちの変化を把握することが求められます。見守るということがただの方法になってしまっては、子どもの主体性・自立心を引き出すことができなくなります。
見守る保育の理念をしっかり学び、実践することは子どもの主体性を育むばかりでなく、保育者の力量も高められていきます。
先日、お帰りの会での子どもたちの様子を見させていただこうと、そっとクラスに入って行きました。ピアノでお帰りの歌を皆が元気に歌っているときに、Sちゃんが寄ってきました。歌に集中せずにいるので、お帰りの会を邪魔してしまうので部屋から出て行きましたが、Sちゃんは帰りの会に参加せず私に付いてきてしまいました。説得して部屋に戻そうとしたのですが、Sちゃんは気にせず読書コーナーに行き本読みを始めたのでした。約20分間、Sちゃんの本読みを聞かせていただきました。
日ごろ、目の前の子どもに共感することが大切だと教えていただいていますが、自分の思い通りにならない状況が起こったときに、共感どころでない自分がありました。何としてもこちらの枠組みに合わさせようとしていました。今の目の前の状況を受け入れ、共感すること学びとなりました。
毎日の保育では、保育者さん方が子どもたちに共感しながら子どもの育ちを見守り育んでいます。
今回、あらためて見守る保育を実践することの大切さをかみ締めさせていただきました。 副園長 田中
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