おばあちゃんと孫と
2018年01月22日 月曜日
日曜のお昼前、最寄の駅から宇都宮線に乗って、ゆっくりと好きな本を読みながら東京駅経由で船橋の実家に向かっていました。白岡、蓮田あたりは田畑も多く長閑な風景が広がっています。今もこの地域は、梨の産地として有名です。
白岡駅から5歳前後の男の子と60代中ごろのご夫婦がいっしょに乗車して来ました。男の子の好きなテレビ番組の話で弾んだ声が聞こえてきました。微笑ましいおじいちゃん、おばあちゃんと孫の会話です。温かさが伝わってくるようでした。私は手元の本に再び視線を移し、さっき読んでいた続きを読み始めました。数ページめくると、今度はおばあちゃんと孫の声が入ってきました。おじいちゃんは少し離れた席に座っていました。
さっきと雰囲気が違ってきました。おばあちゃんが孫に「Oちゃんね、今度Oちゃんは年長さんになるんだよね。年長さんは、小さい子のお手本にならないといけないよね 」。 ママからO君がおもちゃのおねだりをした話を聞いたのでしょうか、「おもちゃが欲しいと言って泣いていちゃおかしいよね、そういう時は我慢しないといけないよ。」 O君はその間「・・・」と下を向いて無言でした。黙っているO君に、さらにおばあちゃんの訓話が続きます。「おばあちゃんも子どもの頃、欲しいものがあっても我慢したんだよ。Oちゃんもおばあちゃんができたんだからできるよね。」 なんと60年前の自分の体験を孫に言って聞かせている!凄いおばあちゃんだ!! O君は、おばあちゃんの迫力に押されてか「う、う~ん」とか細い声で返事をしていました。おばあちゃんも少し、O君の様子に元気がないのに気づいたのでしょうか「Oちゃんね、いつも我慢しなくていいんだからね。でもね小さい子のお世話をしたり面倒を見てあげるんだよ。」とおばあちゃんの訓話のとどめが刺されました。
降りる駅の少し前におじいちゃんが戻ってきました。おじいちゃんの「さあ、降りるぞ!」という明るい声で、O君も「うん!」と元気よく返事して、三人仲良く降りていきました。
おばあちゃんの話を聞いていた私は、私自身が自分の思いや価値観を家族や職場の方に押し付けていることを反省することができました。
ありがとうございました。 副園長 田中
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