誰もが持っている尊く、純粋な心
2017年11月17日 金曜日
今、新聞等では、保育については「待機児童0」という働く親の立場から「保育所増設」と「保育費無料化」ということが取り上げられています。同時に大事なことは保育の内容です。平成30年度から展開される「新保育所保育指針」では、「保育所の役割」「保育の目標」「保育の方法」等が今までは、「保育の原理」の項目として扱われていたのが、「基本原則」という項目としてあげられています。
「原理と原則」の意味を見ると、 原理とは物事が結果に至るまでの「理論、筋道」です。原則とは「大もとのルール」です。したがって平成30年度からの実施に向けて大事なのは、「役割・目標・方法」等が“原則”であり、取り組んでいくことだと理解しています。
保育所保育指針における「保育の目標」も前回の内容を引き継いでいます。「保育所は、子どもが生涯にわたる人間形成にとってきわめて重要な時期に、その生活時間の大半を過ごす場である。このため、保育所の保育は、子どもが現在を最もよく生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培うために次の目標を目指して行わなければならない。」とあります。
このことは、乳幼児期というのが小学校前の一時期という単なる通過期間ではなく「人間形成にとってきわめて重要な時期」ということです。
保育目標とあげている中で特に大切だと思われる点に、「十分に養護の行き届いた環境の下に、くつろいだ雰囲気の中で子どもたちの様々な欲求を満たし、生命の保持および情緒の安定を図ること」とあります。そのような環境の中ではじめて「人との関わりの中で人に対する愛情と信頼感、そして人権を大切にする心を育てるとともに、自主、自立および協調の態度を養い、道徳性の芽生えを培うこと」ができるのです。それが、人の根幹となる信頼感、自己肯定感、調和力、創造力を培っていくのです。
人が信頼感や自己肯定感を持てない時、他者を傷つけることに対し鈍感になってしまい、それがさらに自分自身の存在性を歪めていく事につながっているように思われます。
誰もが持っている尊く、純粋な心をこの乳幼児期にしっかり培うことが保育所の役割であり、保育者の生きがいであると思わせていただいています。 副園長 田中
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