けんかの仲裁
2017年11月10日 金曜日
育子園では、子どもたちの喧嘩は大人がすぐに止めに入ることはせず、しばらく様子を伺います。それにはたくさんの理由があります。
自分自身で問題を解決するすべを学んでいくため、また、喧嘩を通し、相手の気持ちを知ったり、自分の気持ちを伝えたりコミュニケーション能力を高める訓練のため、そして、自分の思い通りにならないことを我慢したり、相手に譲ったり、気持ちをそらしたり、気持ちを立て直し乗り越えたり、最後まで頑張ったり・・・様々な場面で適応できる強い心の成長のため。
子どもたちは心が澄んでいてとてもきれいです。喧嘩しても、根にもったり、恨んだり、いつまでも落ち込んだりする気持ちが大人よりは大分小さいです。実際に大げんかの後に大笑いしたり、手をつないで遊びに行く姿をたくさん見ます。こんな時期だからこそ、いろいろな感情を経験し、大人にコントロールされるのではなく、自分で考え、仲間と共に社会を生きていく力を育んでほしいと思います。
しかし、仲裁しなければいけないトラブルもあります。その見極めは、子どもの発達や、喧嘩の状況によって大きく変化します。
ある年少児が、たまたま通りかかった際、年中児の作ったブロックの作品を壊してしまいました。壊された子は「なんで壊すんだよ」と強く言い、年少児を泣かせてしまいました。すると、そばにいた数人の子どもたちが、寄ってきて「年少さんを泣かしちゃダメじゃないか」「もっと優しく教えてあげなきゃいけないんだよ」と仲裁に入ってくれました。
普段から年下の子に対して、世話をしたり、優しく接したり、我慢したり、加減をしたり、いたわりの心が育まれている子どもたち・・・。泣いていた年少児は、みんなに守られて、笑顔になりました。
一方、作品を壊されてしまった年中児。きっと、心のやり場がないのでは・・・と心配になり「大丈夫?」と声をかけ、フォローに入りろうとしましたが、意外にケロッと「大丈夫だよ」と、作品の修理にはいりました。その切り換えの速さにも感心しました。
今回は、全く大人の出番はありませんでした。
保育主任
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