ちょっとした出来事
2017年10月10日 火曜日
今日も爽やかな青空が広がっています。
園庭では今日も子どもたちの元気な声が響き渡っています。
少し離れたところから子どもたちの遊びを見ていました。幼児用トランポリンで何人かできゃっきゃ言いながら楽しく跳ねていました。
1歳児クラスの二人によってちょっとした出来事が起こりました。
そこにF君がダッダッだと飛び込んできました。なんと近くにいたJ君を何も言わずに押しのけてしまいました。J君は自分の遊びを中断されたこと、その場所をF君に無理やりに取られたことで泣いてしまいました。F君はトランポリンを楽しむと次の遊びに向かって行ってしまいました。J君は思いを訴える相手が目の前からいなくなってしまいました。
そこに温かそうな保育者さんが現れました。“どうしたのJ君、大丈夫?”とそばに寄り、 “急に押されて驚いたよね~”とJ君の思いを受け止めていました。
J君は、F君から押しのけられて、いやだと思ったことを“泣く”ということで表現していました。泣くことも表現の一つです。
その思いを、まず受け止めていくことによって、こどもに“自分を分かってもらっている”という安心感が生まれます。安心のステージに立つと次のステップに進むことができます。
私は、人の相談に乗っているときに、相談者の安心のステージを確認しないまま、心の持ち方や相手の見方、関わり方のアドバイスを先にしていたことがよくありました。それは自分の価値観を相手に伝えているだけでした。
今回の‘ちょっとした出来事’によって、「泣いている子どもに対して最初にすること」は、「思いを受け止める、気持ちを理解する」ということがいかに大切であるかを教えていただきました。また、それは子どもにとって「安心感」をもたらし、保育者に対する「信頼」にも繫がっていくものだと思います。
目の前の人との正しい関わりは、相手を主体的に見ることによって見えてくるのだと、今日の出会いによって教えていただきました。 副園長 田中
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