明るい顔いっぱい
2017年09月19日 火曜日
小さい頃読んだ絵本に、橋の上から肉を落とした「よくばり犬」(イソップ童話)という題の話を覚えています。
「ある犬が、よその犬から取り上げた肉をくわえ、橋の上を通りかかかりました。その時です。橋の上から下を見ると美味しそうな肉をくわえた犬がいるのに気づきました。その肉も欲しいとワンと吠えた瞬間、くわえていた肉が川の中に落ちてしまいました」という‘欲張ってはいけない’という話です。欲の心を戒めてくれています。
仏教ではこの欲に覆われている世界を餓鬼界といいます。人の心は仏界から地獄界の十界があるといいます。一界の中に九界があります。一見すると修羅界(争い)・畜生界(愚痴)・餓鬼界(貪欲)・地獄界(怒りの心)に振り回されている人がいます。でも、心の中には仏さま・菩薩の心があり、本当に気がつけば仏さま・菩薩の心になれます。
イソップの犬でいうと、肉を川に落としてしまったことで自分自身の欲の心に気が付けば、そこから仏界・菩薩界にいけることになります。イソップの犬は、肉を川に落とすという失敗したことで自分の愚かさに気が付けたのではないでしょうか。
私たちは様々な縁を通して自分自身の心を仏さまや菩薩の心でいっぱいにすることができます。
先ほど玄関で面白くなさそうにしていたF君が、ポケットにお気に入りの葉っぱを入れて園庭から戻ってきました。そしてまわりにいたお友達に「あげる!」と言って分け始めました。近くにいた私にも「先生にも!」と手渡してくれました。「F君ありがとう、もらっていいの?」と聞くと、「うん、いいよ。だってB君と遊べたから」と明るく答えてくれました。友達と遊べたうれしさで心が満たされたF君は、本来持っている人に分ける、人と共に喜ぶ心が発揮されました。
F君を通して、人が人の心を発揮するのは善き出会いによって育まれることをあらためて教えてもらいました。
今日も明るい顔が いっぱいの育子園です。 副園長 田中
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