お母さんのハンバーグ
2016年10月17日 月曜日
お彼岸会で聴いたもう一つのお話です。
両手が不自由なお母さんだったので、普段はお父さんが食事を作っていました。しかし、遠足の時は、お母さんは頑張ってお弁当を作ってくれました。しかし、そのお弁当は見た目も悪く、美味しくなかったため、「もう作らなくていい」とコンビニのお弁当を持っていくようになりました。
高校生になると、毎日お弁当なので、パンを買って食べていました。ある時、お母さんがお弁当を作ると言い、作ってくれました。お弁当のハンバーグは以前より、とてもおいしくなっていました。それから3か月間後、お母さんは肺炎で急に亡くなってしまいました。
あとから聴いたところ、お母さんは息子のお弁当を作るため、1年間定食屋さんで料理の勉強をしていたそうです。ある時、その定食屋さんに行ってハンバーグを頼むと、お母さんのハンバーグと同じ味がしました。
後にならないと分からないことがあります。その時には気づかず、後悔することもたくさんです。だから、一瞬一瞬を大切にしていかなければならないと深く感じます。しかし、日常の流れの中で、大切なことが何気なく過ぎてしまっているような気がします。
いいお話を聴くと、改めて普段の自分を内省できます。これを繰り返しながら、半歩ずつでも人として価値のある存在になっていきたい思います。
保育主任
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