一粒のぶどう
2016年10月13日 木曜日
9月、秋のお彼岸の行事に参加しました。その中で2つの感動するお話を聞いてきました。そのひとつが『一粒のぶどう』です。不治の病に罹った女の子のお話です。
1歳の時から入退院を繰り返して、5歳の冬になり、もうお医者様も手の施しようがなく「なんでも好きなものを食べさせてあげてください」と言われました。
お父さんが、「何が食べたい」と聞くと「ぶどうが食べたい」と女の子が言いました。冬にぶどうを売っているところがないのは分かっているけれど「どうしても願いをかなえてあげたい」とお父さんは東京中のお店を探しました。
半分諦めながら最後に、あるデパートのフルーツ売り場で「ぶどうは置いていませんか?」聞きました。すると定員さんは「あります」ときれいに箱詰めされた、立派なぶどうを持ってきてくれました。そのぶどうは3万円でした。しかし、お父さんはそんな大金はもう持っておらず、悩んだ末事情を話し「一粒だけ分けていただけませんか?」と言いました。
店員さんは、「わかりました」とぶどうを数粒もぎ、小さな箱に入れきれいに包装し「2千円です」と渡してくれました。娘さんは「美味しい、美味しい」とうれしそうにぶどうを食べ、間もなく、静かに息を引き取りました。
このお話を教えてくださった方は、「3万円のぶどうを一粒もぎることで、その価値はなくなってしまいます。マニュアルから言うとありえないことかもしれません。しかし、その定員さんは正しいことよりも、価値があることを選んだのだと思います。」とおっしゃっていました。
世の中には正しいことはたくさんあります。しかし、正しいからと通してしまうと、人を悲しませたり、我慢させたり、辛い思いをさせることがあるということを忘れてはいけないと思いました。そして同時に、自分の価値観を押し付けるのではなく、相手の立場にたった価値を考えていくことも心に留めていきたいと感じました。
日々、子どもたちと関わる中でも大切にしていかなければならないことを、改めて振りかえり、考える事が出来ました。
保育主任
Posted in 三感ブログ