葛藤しながら
2016年10月31日 月曜日
園庭で年少組の3人の男児、ひとりの女児が喧嘩をしていました。ひとりの男の子が持っていた縄跳びを女児がひっぱているところでした。女児は使いたいのか、一緒に遊びたいのか、言葉では表現が出来ず、縄跳びにしがみついていました。
「今使ってるから持っていかないで」と縄跳びを使用中だった男児に、2人の男児が加勢をして3対1の綱引き状態です。女児も必死で引っ張りますが、3対1ではかないません。
とうとう縄跳びは女児の手から離れ、悔しさと悲しさで泣き出しました。
一方、3人の男児は、縄跳びが戻り嬉しそうにその場を離れます。しかし、その後様子を見ていると、1人の男の子が戻ってきて、遠くから泣いている女児を気にしています。
その時は必死でも、あとになって無理やり取ってしまったことが気になったのでしょうか、そのうち他の2人の男児もそれぞれ交代で様子を見に来ます。そして、その中のひとりが「向こうに面白いのがあるよ。おいで」と何度か女児を誘いました。なんとか、機嫌を回復させようと考えているようです。
ところが、女児はその誘いに乗らず、泣いています。ちょうどその時、保育室に戻る合図があり、女児はとぼとぼと玄関に向かいました。
男児たちは、先回りし玄関につくと、今度は「ねえ、一緒にお魚見ようよ。エビがいっぱいいるよ」と水槽に誘います。そこでやっと女児は機嫌を直し、笑顔で水槽の中を眺めていました。もうすっかり仲良しです。
大人が介入しなくても、しっかりと人間関係を保つことができたこの4人は素晴らしいと感じました。
まだまだ心のぶつかり合いがたくさんありますが、相手の表情などで友だちの気持ちを汲んだり、喜びや楽しさを感じたり、人間関係の葛藤に悩みながらも他者理解に向けて成長しています。
保育主任
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