今は昔・・・
2016年06月10日 金曜日
月に1回『いのちを考える会』という定例会があります。定年を迎え、その後もご活躍されている方の集まりです。
10数名ですが年間で一人づつテーマを決め和題を提供、研究発表をします。18時から20時までの時間、前半は発表、その後課題は深まり楽しい展開になります。まとめはK講師さんの話を聞かせていただき終了です。
皆さん一人ひとりがそれぞれ素晴らしい人生を生き、いろいろな分野を知り尽くしている方の集まりです。参加する度に驚き関心し、脳に刺激を受けながら、一瞬で心が豊かになった気になります。
今月のテーマは『竹取物語』で、古典文学を学びました。私は、いつものように参加させていただくことで新たな世界に入っていくようで、恐れ多いと感じながらも、『むかしむかし・・・』の絵本で見た夢物語で、とても美しい、情景であったことを思い出しながら傾聴させていただきました。
原文から・・・『今は昔、竹取の翁いふもの有りけり。野山にまじりて、竹を取りつつ、よろづの事にひかりけり。名おば讃岐の造麻呂(みやつこまろ)となむいひける。その竹のなかに、もと光る竹なむ一筋ありける。あやしがりしきもて寄りて見るに、筒の中光たり。それを見れば三寸ばかりなる人、いとうつくしうて居たり。世界の男(をのこ)、あてなるも賤しきもいかで、このかぐや姫を得てしがな、みてしがなとに聞きめでて惑ふ』とつづきます。
その後かぐや姫に求婚する5人の殿方対する課題も難しく、叶わぬと断念。又、再三にわたる帝の申し出があったがすべて断ってしまう。ある日、悲しいことに天からのお迎えの日がきて、実は美しいかぐや姫は遠い世界の人であった。という不思議な不思議なおはなし・・・
日本人の多くが子どもの頃、一度は読んだり聞いたりしたことがあるこの物語は「日本で最も古い物語」といわれていたとのこと。ところがこの物語は、作者も、書かれた年代もいまだ不明・・・となぞが多く、川端康成を始め、何人もの方が書いた竹取物語についての伝説も気になります。
この度の研修から、美しい夢物語りで終っていたことから更に深く、原文の一部を学ぶことで学生時代を思い出し、書棚に置いたままの物語をもう一度手にとり古典文学入門の一歩を歩みたくなりました。そして、子ども達にも夢物語を美しく伝えたいと思うと、これからの絵本探しも楽しくなってきました。 園長
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