先生が困るから・・・
2016年01月12日 火曜日
4歳児Rくんが用事を頼まれ事務室にやってきました。
頼まれた用事が済むと、事務室に置いてある可愛い折り紙が目についたようです。
「これなあに?ちょっと見せて。」と袋を開け、中身を見始めました。
「折り紙だよ。ほしい?」と聞いてみると「欲しいな~。」と答えました。
何色があるのか、何枚あるのか中身をじっくり見て考えるRくん。
もう一つ、同じものがあることに気づき、そちらも中身を確認。
「こっちは大丈夫だな~。」などとつぶやきながら考えています。
「欲しかったら、クラスに持って行ってもいいよ。」と伝えてみましたが、Rくんは色々考えた結果、「先生が困るからいらない。」と中身を開けた折り紙を元通りに直し「ありがとうございました。」と出ていきました。
欲しいと思った気持ちから、どのような想いで先生が困るからいらないという気持ちに変わったのかわかりませんが、Rくんの心の葛藤が感じられました。
Rくんが我慢した行動はEQ力が身についていることを感じました。
研修で学んだ内容ですが、EQとは、子どもに必要な心の知能指数です。自分自身を動機付け、挫折してもしぶとく頑張れる能力・衝動をコントロールし、快楽を我慢する能力・自分の気持ちをうまく整え、感情の乱れに思考力を阻害されない能力です。
日本は、成績が良ければよいと、IQ(知能指数)を重視し、EQ(心の知能指数)を軽視していましたが少しずつ見直されてきています。
EQ力のために最も大切な知性は、対人知性と心内知性です。
対人知性とは、他人を理解する能力。(この人の動機は何か、あの人はどう動くだろうか、皆と協調して動くにはどうすればいいのか、といったことを理解する能力)
心内知性とは自分の中にある感情を把握し、弁別し、行動指針とする能力(自分の心を見つめる能力)です。
EQ力は幼児期にしか身につかないものなので、まず私たち保育者が対人知性を高め、話を聴く、気持ちに共感する、意欲を高める等、子どもたちにじっくり関わっていけるよう心掛けたいと思います。
副園長
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