僕の気持ちをわかって欲しい
2015年12月14日 月曜日
年長児のS君とT君が大きな声で口喧嘩をしていました。そばで年少児のH君が泣いています。その場面の様子は、S君とT君の話の内容からよくわかりました。喧嘩にはそれぞれの言い分がありました。そして同時にふたりの素晴らしさも伝わってきました。
年長S君は、時々H君の戦いごっこの的になり、キックされたり、髪の毛をひっぱられていましたが、年上のお兄さんとして我慢していたのです。しかし、今日は、「痛いからやめて」と強く言ったところ、H君が泣いてしまいました。それを見たT君が、小さい子には優しくしなければならないと言い続けます。それを受けてS君は「僕は今まで、ずっと我慢してたんだ。やられても、やり返すことはしなかったんだ。でも、嫌なことをされている僕の気持を考えてよ。ずっとずっと我慢してたんだよ」とこらえていた涙を流しながら訴えていました。
年下の子を、年長児として守ろうとするT君の正義感、優しさが感じられ感動しました。
一方、S君の気持ちにも大きく共感でき、S君の素晴らしさを感じられました。
今、社会問題でもある『いじめ』に対しても、「こんなに辛いんだ」という自分の気持ちを、こうやってしっかりと周囲に伝えていく事はとても大切なことだと思います。素直に、一生懸命自分の心の中を訴えることができるS君の姿が、本当に輝いて見えました。
この喧嘩は、折り合いがつけられず平行線のままその場は解散になりました。その後、年少のH君には、「お兄ちゃんたちはすごいね。ふたりともちゃんとH君のことを考えて、大切にしてくれているね。S君に嫌なことをしてしまったことは、どうしらいいかな」と声をかけました。
T君には、その正義感、優しさを讃えました。
S君には、H君を大切に思い我慢してきてくれたこと、そして自分の気持ちをしっかりと伝えられたことを大いに褒めました。
子どもたちの喧嘩は、大きな学びも与えてくれます。S君もT君も、そしてH君も、きっと心に大きな成長があったのではないかと思いました。しばらくする、三人はいつもの笑顔が戻っていました。
今回は自分たちで解決・・・とまではいきませんでしたが、徐々に自分の気持ちとは違う存在と折り合いをつけていくすべを学んでいくことと思います。
保育主任
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