子どもの時間 その1
2014年12月12日 金曜日
ランチルームの準備が始まると、その合図で園庭や保育室に音楽が流れます。しかし、その合図はあくまでも目安ですので、さっさと片づけをはじめ、食事の準備に取り掛かる子や、まだまだ遊びの区切りがつかずしばらく遊び続ける子もいます。
ある寒い日、数人の子どもたちが、使った砂場遊具を水を溜めたたらいの中で洗っていました。(どちらかというと半分水遊びにも見えますが)
子ども同士で役割分担しながら(洗う子、洗い終わった玩具をしまう子、「これも洗って」と支持するが子など)一生懸命です。
その中で2歳児クラスのA君が一人混じっています。
もうその時間帯は2歳児クラスは「いただきます」が始まる頃・・・・・・。2歳児の担任は、「A君、ごはんの準備できてるよ」と声をかけながらもその様子を見守っています。
4~5歳児の子どもたちは、最初のうち「僕たちがやるからいいよ」「もうそれは洗い終わったよ」と言いながら、そのA君をちょっと邪魔に思っているようです。でも、A君は、そんな言葉は耳に入らず、黙々と洗い続けています。
一方、その4~5歳の子どもたちの中で『最後のこれは僕が洗う』が原因で言い争いに・・・。激しく自分の気持ちを出し合い思いっきり喧嘩しています。A君の耳には、そんな大きな声の言い争いさえも届きません。
その後、A君はどうしたかというと、洗うものがなくなり、大満足の表情で保育室に戻っていきました。
大人の都合、大人の常識から考えると、他の子と一緒に保育室に戻り、一緒に給食を食べてくれることを願ってしまいます。
しかし、子どもには大人に理解できない行動の中にも、成長していくための大切な経験があります。大人の時間で子どもたちを動かすのではなく、その時の子どもの表情、言葉、気持ちにしっかりと目を向け、子どもの時間に合わせていく心の余裕も持っていきたいと思います。
保育主任
Posted in 三感ブログ