ドイツ研修⑤
2014年07月01日 火曜日
金曜日、いよいよ最後の見学日となりました。今日は科学実験で有名な幼稚園と冒険広場というところに行きました。
この幼稚園は『研究者たちの家』としてミュンヘン市内だけでなく、ドイツの国でもとっても有名な園です。フォルクスワーゲンやテレコムなどの大企業がスポンサーになって支援しているという珍しい園でした。
私たちも3つの実験を経験させていただきました。コーヒーのフィルターにマジックで絵を書き、スポイトで水を垂らします。するとどんどんどんどん滲んでいくのですが、紫や青、黄色や赤など黒だけでなく様々な色が出てくるのです。このような『なんでだろう?』『不思議だなあ』という子どもの好奇心を伸ばせるよう保育士も共に教材開発などに携わるくらい熱心でした。しかし科学者を育てるための幼稚園ではなく、あくまで遊びに来る場所なので子どもたちの活動の中からテーマを見つけて遊びの認識を広げられるようなテーマを設定しているということでした。
午後は冒険広場という場所に行きました。10歳から18歳の子どもたちが自由に遊びにきます。ノコギリやトンカチを使って家を作ったり、小学校ではなかなか経験できないことができる大きな広場といったところです。育子園の園庭にあるツリーハウスの大きいものがたくさん繋がっているようなイメージでしょうか。行くまでは危険な場所のように思っていたのですが、社会教育士という資格を持った先生やボランティアの大人たちの目がたくさんあり、危なくないようにルールもしっかりあったので危ない雰囲気はありませんでした。子どもたちの創造性には驚きばかりでした。
夜の研修会でもたくさんの学びがありました。
日本は学力が低下しているという現実からゆとり教育を廃止しました。ドイツは学力が低下しているのに小学校は午前中まで。勉強でというより、遊びの中から、文字・数・科学の分野を取り入れていこうという考えなのだそうです。
例えば、今日行った幼稚園での実験でも原理を教えることが大切なのではなく、不思議を体験することが重要だという考え方です。
近年、日本でも幼稚園や保育園でひらがな指導をしてほしいという保護者からの要望があったりもします。文字を書くには指先が自在に動けないと書けません。遊びの経験として、ひも通しや色鉛筆での塗り絵など手先の遊びを経験することが小学生になって実になる今の過ごし方だということを学びました。子どもの遊びを守ること、子どもの将来を考えて接していくことが私たちの使命ですね!(kh)
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