変わる家族・子育て・介護・仕事・地域コミュニティ④
2014年02月25日 火曜日
人間関係の悩みで深刻なのは家族関係が基本で仕事、経済、暴力、病気などへと関連しています。家族的圏域から放り出される男性の増加問題として、単身化は男性が先に進み、女性がその後を追っています。中年から初老の男性の実態把握が進んでいて、なかでも孤独・孤立死が大きな課題です。
身内との縁が切れた単身中年男性の増加、稼ぎ手の役割を果たせない男性の無縁化、ケアという社会資源の確保と公平な分担ができないできないまま、衰退していく社会、人とかかわる力、他者への気遣いとケアが衰退する社会は持続できないのです。千葉県常盤台団地では単身者の孤独・孤立死を防ぐために、見守り活動をしています。単身者の多くは、リストラで仕事が無くなり、家族と離縁し、病気になり最後を迎えるのです。このように中年期の単身が日本のこれからの大きな課題になっているのです。
社会から孤立しないためにはケアが大切、声をかけてくれる、挨拶をしてくれるという簡単なことで孤立を防げるのです。男性は自ら挨拶しないなど、孤立する可能性が高いようです。人と交わる力が備わっていない若人たちが中年期を迎えると、結婚し家族を持つことができるのでしょうか。家族以外の人と交流の無い割合が多い国はOECDの中で日本が断トツです。
日本人の心の矛盾した状況として、家族の古い心苦し関係から解放され、自由を謳歌したい、しかし孤独でいることは寂しい、暖かい関係に囲まれていたいと考えています。再生産とケアの変容として、家族の特徴は子どもを産む、育てる、病気や高齢者の看病や介護、心のよりどころとしての家庭づくり、団欒・気配り・気遣い、身内の絆を維持し心の支えやよ拠り所、人々の全生活を丸ごと引き受ける場所、帰属する場所、子育て・介護を女性に負わせてきた社会のリスク、変容する家族と共に衰退、
荒川区では、町内会活動が活発に行われていて、子どもの貧困防止条例をつくり、荒川ハピネスを独自に造りました。木造2階建ての1階で子育て支援場所にして、2時間500円で子どもを預かる事業を始めています。約100人のボランティアのうち50人は都市大学東京の学生、区民50人は60歳以上の方々です。高齢者は乳児を心置きなく抱っこできると喜んでいます。核家族ではできないことを地域の方々が子育てを分担しているのです。ファミリーサポート協力員も60歳以上の方が多く、人の面倒を見ようという下町人情が残っているので上手くいっているようです。
横浜のドリームハイツでは、専業主婦が先導して保育園、介護施設、カフェ、レストランまでつくりました。ケアという手段が家族に留まらずに地域でケアしていく時代なのです。この事例のように育子園の近くにも老若男女が集える場所を作ることで地域の活性化になることでしょう。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ