保育の見える化
2014年02月07日 金曜日
2015年度から導入予定の新制度になると、保育園や幼稚園、認可外保育施設などが同じ土俵に上がることになります。大人主導で集団一斉保育をやっていた時代は終わりにして、一人ひとりの子どもがどのように育っているのかを本当に考えていく時代です。認可外保育施設に通っている保護者は、ほとんど認可保育園に転園したいと考えています。
園で行う行事は子どもたちが日々の保育での活動を保護者に見てもらうものという観点が大切です。さらには日々の子どもたちの様子をドキュメンテーションとして見える化すること、クラスや担任の枠を超えて子どもが取り組んでいる姿を発信していくことです。その視点は全員の子どもを登場させるということではなく、保育理念に基づいた活動を取り上げます。それを繰り返していくことで、保育者が子どもに対する言葉がけや、子どもの言葉の一つひとつを大切にできる感性が磨かれていくのです。
子どもへの質問を繰り返すことで、子どもの言動背景がリアルに読み取れるようになっていきます。
保育園は利用者への情報提供、地域貢献をしていく保育園であり続けること、子ども子育てに国家の予算をどれだけ投入するのかが国の将来を決めるのです。仕事と生活が両立できる社会体制、働き方の見直し、子育て家庭の支援を一体的に改革していくべきです。とりわけ子どもの貧困率の高さは先進国の中でもダントツです。保育が必要な家庭でも現在は市区町村によって、保育園を利用できたりできなかったりというアンバランスがあります。
新制度化で考えられている非正規雇用の家庭の子どもたちも保育・教育を受けられるようになると待機児童が今以上に増えるでしょう。今でも保育施設が不足している地域では、さらに保育施設を増設しないと対応できなくなるのです。
2013年夏には全国各市区町村が国に対して、自地域の幼児保育・教育ニーズを把握して保育・教育必要人数を示し適切な予算付けが行われていきます。そのためには各市区町村単位で設置される、子ども子育て会議での議論が重要になってきます。行政だけではなく、保育関係者、保護者、学識経験者などによる多角的な現状分析が不可欠です。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ