離婚が子どもに与える影響②
2014年02月04日 火曜日
FIT(ファミリー イン トラディション)は離婚を顔族の移行期と捉える中で、離婚を経験する家族に向けて、米国で開発された心理教育プログラムで、離婚する家族は必ずこれを受けることが義務付けられているのです。親の離婚を経験する子どもたちが抱えやすい不安や様々な感情、課題などに対して親が適切に対応できるように、子どもの発達に応じた理解を深く求めること、親と子どもの双方がより健康的に過ごせること、子ども自身の健康的な将来の可能性を保障することを目的にしています。
離婚にまつわる子どもの心配として、①見捨てられることへの不安、親権のある親も居なくなってしまうのではないか ②責任感と関係修復の幻想、親の離婚が自分のせいと思ってしまう、なんとか自分が頑張れば元に戻ってくれるのではと考える ③忠誠心の葛藤、両親に対する忠誠心、他親と面会後に楽しそうに帰宅してはいけないのではないか ④怒り、児童期に家出、ひきこもり、 ⑤将来に対する心配、継続的生活、進学、就職 ⑤片方の親との連合、同居親を喜ばせるために別居親を批判するようになります。
親の離婚を経験する子どもの時期での子どもの反応は、乳幼児期前半はしがみつきやイライラ、赤ちゃん返りなど。乳幼児期後半では、頭痛・腹痛、怒りや悲しみの表出など。児童期になると、両親の不仲を元に戻そうとする試み、思春期では、一方の親と連合し、他親に反抗、青年期は経済的な問題、特に人の将来にどう影響するか心配、将来の男女間や結婚への不安課題など、このような課題に取り組むためにFIT心理教育プログラムがあるのです。
子どもにも発達に応じた権利があるのですから、夫婦としては別れてしまったけれど、親ではあり続けていこうということすることの重要性、一番のひずみが子どもにいきやすいということを忘れてはいけないのです。引っ越し、友達との離別、ペットが飼えなくなるなど、大きな生活環境の変化があるので逆境の中での立ち直れる道のりを、共に歩んでくれる人たちがいることです。
親が子どもに対してできることは、時間と共に少しづつ気持ちは楽になる、貴方のことをずっと愛している、貴方のせいではない、どちらかの味方にならなくていい、誰かに話すこと、気持ちを抑え込まないことを繰り返し伝えることです。
保育現場では家族の問題に対する見方に慣れておくこと、自分の価値観、アドバイス、物事のロス面とプラス面に目を向けること、家族が家族としての移行期を大切に過ごせるような関わりを学び、実践していくことです。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ