ソリューションフォーカスで変わるもの②
2014年02月28日 金曜日
ソリューションフォーカスは短期療法で問題解決できるアプローチで、たとえば夫婦問題でカウンセリングを受けたある夫婦は、50分のうちに24個もお互いの不平不満を言い合いました。最後にカウンセラーはこんな提案をしました。今日から2週間、相手をよく観察して「これはもっとやってほしい」と思うことを次回までに見つけ来てくださいと伝えました。
2週間後、なんと二人は手をつないで来所し、もう私たちにはカウンセリングは不要だと言ったのです。その夫婦はお互いを改めて観察しあい、たとえば夫が重い荷物を持ってくれていたこと、が見つかると他にも良い点がどんどん見えてきました。そして相手の話を聞けるようになったというのです。人間関係の課題は問題を掘り下げるよりも、できていることを見るという視点に変えることから未来が見えてくるというのです。
課題解決方法として一般的に用いられる分析手法は、不具合がある⇒その不具合の特定⇒その原因探求⇒解決方法の探索というふうに、課題の原因探究をしていきます。
ところがソリューションフォーカスの場合は、不具合がある⇒プラス思考のメガネをかけて考えてみる⇒どうなると良いと思うか、すでにできていることはなんなのか、すぐにできていることはなんなのか⇒解決行動を起こす、というプロセスです。
このように、悪いところを突き詰めて原因を探すことをしないというスタンスなのです。多くの課題の場合、原因探究をしすぎるとかえって問題を深めることがある、という理屈です。問題志向的な質問を繰り返すと、相手は責められてるようになる、このような場合は否定語を使っているからなのです。
「だめ」なことを見つけることが身についている組織や対人関係では、間違い探求になりがちです。機械やシステムは取り換えれば解決できまますが、同じ空間にいる人間関係はそうはいきません。自分から意識を変えること、現在の○を見つけると、今後どうなりたいか、今までできるていることは何か、すぐにできることはなにがあるか、なのです。
「問題について話し合えば問題が生まれる、解決について話し合えば解決方法が生まれる」という発想の転換です。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ