滋賀県からご来園
2014年01月30日 木曜日
滋賀県にある保育園の園長先生とご子息が育子園に見学にいらっしゃいました。昨年暮れに園庭見学にいらっしゃって、もう一度、保育環境設定・保育実践等を詳しくご覧になりたいと来園されました。この園はすでに平成元年から異年齢児保育を行っていて、それからの保育変化は遊び対象者の幅が広がり、子ども同士が遊びの伝承をするなど保育者が想像する以上に子どもの発達に適していることをを実感されたそうです。その後に新宿せいが保育園の藤森園長先生に出会われ、同じ保育を目指してることが確認できたとおっしゃっていました。
一人ひとりの発達をしっかりと観察しえ、見通しを持って保育ができるように、育子園で取り入れているツールに大変興味を持たれていました。
この保育園ではこれから育子園でも取り組んでみたい、「プロジェクト型保育」を平成18年から取り入れ、子どもたちが知りたいこと、不思議だと思う気持ちを大切にし、それを探求できるようにあらゆる園内環境や地域へ出て探索することなどを用意します。子ども自身が自然と興味が沸き、遊びを通した広がりと経験から学べるのが、プロジェクト型保育です。この保育の特徴の一つは子ども同士の役割分担が自然発生的におこり、プロジェクトを達成するために一人ひとりの子どもが発達に応じた役割を分担できることです。役割は大人が決めるのではなく、子どもたちの中で決まっていくのですから民主的です。
この取組みを通して子どもたちは、様々な物事に対して絵本で調べたり、五感を使って「どうして?」と疑問や不思議さ、困難を解決するアイディアなどを考えたり、子ども同士で話し合ったり、保育者に聞いたりしています。自分の考えをみんなの前で堂々と話す姿、人の話をしっかりと聞く態度、またそんな姿を見て「やってみよう」と他の子どもたちが真似するといった、異年齢児保育ならではの自然な学びも見られるようになってきたそうです。2月上旬にこのブログでも紹介した鳥取県米子市にある「仁慈保幼園」を訪問して、プロジェクト型保育を学びに行く予定でいましたから、ナイス良いタイミングで実践している園のお話が聞けたことはラッキーでした。
約3時間にわたって育子園の保育理念と実践、保育環境をつぶさにご覧になる中で、特に園舎内のディスプレイやアトリエ、ダークルーム等の設置が、前回いらっしゃった時と変化していることに興味津々といったところでした。育子園には立候補した環境コーディネーターが数人いて、センスの良い保育空間を作っています。普段から雑貨や家具などに興味があり、園に使えそうなグッズはないかとアンテナを張っているのでしょう。そういうことに興味がない人にやってもらっても、本人も辛いし良いものはできません。「好きこそ、ものの上手なれ」の言葉どおり、育子園の保育者は一律に同じことをしない、自分の得意な分野で貢献できることは幸せなことだと思います。常に変化、進化、深化していく保育環境は仏教の基本思想、諸行無常そのものであり、諸法無我のごとく真理に沿っていると保育者と子どもが関係しあって楽しいスパイラル状態が起こっていくのです。
琵琶湖にほど近く京都から30分で行ける風光明媚な場所にある園です、いつか育子園の職員も視察にいくことがあるでしょう。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ