2013イタリア保育視察の報告会
2014年01月24日 金曜日
昨年6月に杉並私立保育園連盟を中心に行った、イタリア保育視察研修の報告会を行いました。
このブログでも長期間にわたって報告しましたが、早いもので現地視察から半年が経過しました。報告会は園長会・保育士会合同で、育子園に約50人集まりました。19時からの報告会に先駆け、育子園の保育理念と実践を参加者に説明・見学会を開きました。参加園の多くは日本式大人主導の年齢別一斉保育を行っているようですから、育子園の子ども主体・子ども中心の見守る保育は珍しい保育と感じた方も多かったことでしょう。園内を見学した保育者は、楽しい仕掛けが満載で大人も楽しめる園だと感想を述べていました。
保育者の役目は何なのか、日本と保育先進国ではとらえ方が異なっています。日本の多くの保育者は、子どもは何もできない存在だから大人が主導して教えたり・させたりすることが役目だと考えてるようです。そのような風土が形成されている園では、大人の声が大きく・多くなりやすいのが特徴です。保育者が子どもをコントロールする、動かすということが主な業務だと考えているので、思い通りになあないと声が大きくなるのでしょう。
日々設定された保育計画を粛々と実行する、実行できる保育者が有能な保育者であり、良い子どもたちという図式です。そこからはみ出した保育者・子どもは困った存在として見られてしまうのです。保育者は上司や同僚を気にしながら保育するのですから、子どものことは二の次になりやすいといえます。心ある少数派の保育者が子ども主体の保育をしたいと思っても、組織風土を変えることが並大抵のことではありません。せっかく就職しても短期間で離職してしまう理由のトップが、組織風土と職員間の人間関係というのは大きな課題です。
一方、欧州を中心とした保育先進国は日本式の真逆なのです。本当に子どもが活き活きと、居心地良く発達を遂げていくには保育者は何をすべきかという発想で保育をデザインしているのです。子どもが熱中して遊べるモノを試行錯誤して探し、提供し、子どもの反応を観察して変化させていくという保育です。
イタリア報告会は、参加者の一人がiphoneで撮りためた映像を40分に編集した上出来のビデオと、視察参加者が印象に残ったポイントや今後の抱負を発表しました。そして次回は是非とも「北欧」方面を旅したい、夢は膨らんでいるようです。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ