園で虐待を再現する子ども
2014年01月16日 木曜日
虐待を受けた子どもは、ストレス・トラウマ反応として暴力・攻撃性が高まる、学習としての暴力・攻撃性が高まる、学習による誤ったコミュニケーションによる他者と関わる際に暴力を用いり性暴力につながるなど、適切な問題解決方法を知らないために暴力を用いる、多動、人を信用できないことによる落ち着きのなさ、不安定な愛着形成による落ち着きのなさなどです。
1週間に1回、虐待を受ける子どもは今度はいつ虐待されるかという恐怖心が24時間続き、物音に敏感になり、不眠になる子どもがいて体調不良におちいります。多動、落ち着きのなさ、ビクビク、フラフラするので事故や再被害にあいやすい傾向があるので注意が必要です。
家庭内で虐待を受けた子どもは保育園・幼稚園、学校で他者に対して暴力を「再現」するので、大人が観察することで発見することができます。家庭で暴力が日常化していると、自分のプライドを維持するために、他者に暴力を与えるようになり、暴力を与える人間と付き合うようになり、暴力を振い振われた後に性行為を行うことで関係性を確認するという異常な対人関係が発生しているのです。
ストレス反応の身体的影響として、頭痛、腹痛、便秘、下痢、吐き気、まめい、倦怠感、不眠、悪夢があります。退行現象として、分離不安、まとわりつき、夜尿、爪かみ、指しゃぶり、わがままに見える行動、言葉の遅れなどがありますからよく観察していくことです。
保育者は業務上、虐待を早期発見することになっています。その家庭の課題を見つけるポイントとして、保育園・幼稚園で暴力を振う子どもは家庭内での暴力が想定されますから、園での加害者は家庭内での被害者という見方を保育者がしていくことが大切です。
性的虐待経験のある子どもは解離症状に陥りやすく、生活上の課題として、大人に対して構えたり、他者への暴力、リストカットなどの自傷行為などがあり、人間関係のトラブル、学習困難など社会生活での不適応、多重被害に遭いやすい、本人の意識が伴わないために援助を求めにくくなっていくのです。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ