DV被害男性は相談しずらい
2014年01月15日 水曜日
白梅学園大学のセミナーで、深刻化している家族間の様々な暴力について学びました。
1980年代の家庭内暴力は金属バット事件に象徴されるように、子どもが親に対して暴力を振うものが主でしたが、現在は親から子どもへの暴力問題が重視されています。子どもに対する暴力や虐待は子ども同士の場合も含まれ、男女を問わず中には同性同士もあるのです。
今年度上半期だけでも児童虐待相談件数は1万件を超え、深刻さを増しています。虐待は身体的、精神的、ネグレクト、性的、経済的に分類されています。性的虐待は被害者が0歳のころから家庭内で発生していることがあるのです。暴力をふるいたい人間は他人よりも家庭内に居る人間に対して暴力をふるった方が、犯罪が表面化しないと考えますから、家庭内に居る弱者がターゲットになりやすいのです。
DVの実態は、被害女性33%、被害男性18%、特に男性は相談しないケースが多く、女性の方が別居できない状態で被害が継続しているのです。日本では家庭の問題には他者は口を出さない、至らない妻・夫が悪い、夫婦生活には忍耐を伴うのが当然、家庭に問題があるのは妻のせい、加害者に対してまさかそんな人には見えないと考える人が多いのです。
被害者の心理として、いつか相手が変わってくれるのではないか、こういう愛し方しかできない人なのだ、反省しているのに見捨てるのは自分に罪悪感、家族が離れ離れになるのはよくないこと、助けてくれる人が誰もいないと考えがちで、暴力が継続化長期化しやすい傾向があるそうです。
このような環境下で虐待を受けた子どもの心理は、恐怖や否認、回避症状から話せない、誰かに話してはいけないと言われるから、家族の秘密に加担をしているような罪悪感、暴力は自分のせい・自分が悪いから起きていると思うのです。
第三者に話しても解ってもらえないと思い、どうすることもできない無力感と悲しみなどがあり、表面化しないという深刻さがあるのでしょう。
子どもが心の内を打ち明けてくれるような安定できる環境配慮が必要で、打ち明けてくれたことをたたえてあげることが大切です。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ