蚊に刺されれると文句を言う
2014年01月07日 火曜日
幼稚園・保育園の園長先生方によると最近の保護者が望んでいる子ども像は、人に迷惑を掛けない子ども、挨拶ができる子ども、食事マナーが良い子どもという意見が多いようです。園への要望等はケガや傷についてのクレームが非常に増えていて、中には蚊に刺されたという文句を言ってくる保護者もいるそうです。
最近は見なくなりましたが空き地に有刺鉄線・鉄条網が張られると、磁石に引き寄せられるかのように子どもはそこには入りたがりました。建設資材が置いてあったり、廃棄物が放置してあったり、そういう場所で自由に遊び「ケガ」をして帰っても親は動揺すらしません。ケガは子どもの権利を誰もが共有していたのですが、今では保護者も行政も様変わりしてしまいました。
園に通ってくる保護者の気になる傾向は、
① ケガへの過剰な反応…ケガはいけないことと考えている
② ケンカはダメ!…自分と価値観の違う人がいることを学ぶ機会がなくなる
③ 汚すこともダメ!…子どもは汚れてはいけないと思っている
④ 行政への責任追及…公園の遊具を毎年3,500個撤去、シーソー、ジャングルジム、箱型ブランコ等がなくなっている
我々もかつてそうだように「子どもはうるさくて、危なくて、汚い(遊びによる汚れ)存在」なのです。子どもは路地や空き地、山、川などで自由に遊んでいましたが、1993年には児童公園は廃止されました、理由は主に高齢者が利用するようになったからです。街区公園になった児童公園は、子どもにとって利用制限が設けられ、球技禁止、声を出して遊ぶのは禁止など楽しくない規制された空間です。
その背後にあるモノは、
農業社会から工業社会へ、そして脱工業社会へ、基本的価値観がさま違がりしてしまったからです。重厚長大産業、大きいことは良いことだ!、から軽薄短小の第三次産業へ凄まじい勢いで移行しているのです。縄文時代から脈々と継続されていた農業社会を1950年頃に突然終わらせ、猛スピードの工業社会化へ、さらにその20年後にはそれをも捨て去ってしまったようです。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ