佼成育子園[こうせいいくじえん]-東京都杉並区

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園のこだわり

毎年4万人の保育者が誕生

2014年01月31日 金曜日

日本では毎年4万人の保育士が誕生しますが、保育施設には2万人しか就職していません。現政権は10年間で60万人の保育園定員増を掲げていますから、保育士確保ができるのか大きな課題です。

待機児童加速化プランは2013年7月17日に内閣総理大臣に提出されたものです。ハードの整備として賃貸方式など、共に重要な保育士の確保、小規模保育の充実、将来的に認可保育園を目指す認可外保育施設の支援、事業所内保育施設の支援です。

 

保育士の処遇改善は2013年補正予算に計上されましたから、今年度中に各市区町村から給与の上積みがやっと実施されます。

新卒保育士が保育園で働きやすい環境や待遇改善が不可欠、今後とも保育業界全体で処遇改善の提言を続けつつ、職員が働きやすい風土づくりなど各園の自助努力が求められています。

 

子ども・子育て関連3法(2013年8月成立)の趣旨とポイントは、①認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付及び小規模保育等への給付の創設 ②認定こども園制度の改善 ③地域の実情に応じた子ども・子育て支援の充実 ④基礎自治体(市区町村)が実施主体 ⑤社会全体による費用負担 ⑥政府の推進体制 ⑦子ども・子育て会議の設置 ⑧施行時期は消費税引き上げ時期を踏まえ、早ければ平成27年度を目途に新制度の施行を想定、です。この1年の動向を注視しなければなりません。

 

新たな幼保連携型認定こども園には幼稚園教諭と保育士資格を併有することを原則としています。現在現場で働いている保育者の内4分の1はどちらかの資格者ですから数年のうちに併有できる措置を講じる予定です。

 

現政権も横浜方式を参考にして待機児童対策を加速化していこうという機運が盛り上がっていますが、横浜では鉄道高架橋の下に保育施設を作るなど、本当の意味での質の確保は課題が残っています。病院や小学校を高架下に造ることはありません、自分の意思表明力が未発達な幼い子どもなら高架下でもいいのではないかという発想はありえません。子どもの権利条約に照らし合わせてみれば明白です。

 

各市区町村では各年度における幼児期の学校教育・保育の量の見込み、実施しようとする幼児期の学校教育・保育提供体制の確保の内容及びその実施時期を明確に計画化することが求められます。これによって待機児童数や定員割れ数を把握し、需給調整が図られていくことになるのでしょう。現行の幼稚園、保育園、認定こども園の基準を比較して、それぞれの良いところを取り入れていくことが審議されてきますから、保育現場の現状を訴えていくことが責務です。

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Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

滋賀県からご来園

2014年01月30日 木曜日

滋賀県にある保育園の園長先生とご子息が育子園に見学にいらっしゃいました。昨年暮れに園庭見学にいらっしゃって、もう一度、保育環境設定・保育実践等を詳しくご覧になりたいと来園されました。この園はすでに平成元年から異年齢児保育を行っていて、それからの保育変化は遊び対象者の幅が広がり、子ども同士が遊びの伝承をするなど保育者が想像する以上に子どもの発達に適していることをを実感されたそうです。その後に新宿せいが保育園の藤森園長先生に出会われ、同じ保育を目指してることが確認できたとおっしゃっていました。
一人ひとりの発達をしっかりと観察しえ、見通しを持って保育ができるように、育子園で取り入れているツールに大変興味を持たれていました。

 

この保育園ではこれから育子園でも取り組んでみたい、「プロジェクト型保育」を平成18年から取り入れ、子どもたちが知りたいこと、不思議だと思う気持ちを大切にし、それを探求できるようにあらゆる園内環境や地域へ出て探索することなどを用意します。子ども自身が自然と興味が沸き、遊びを通した広がりと経験から学べるのが、プロジェクト型保育です。この保育の特徴の一つは子ども同士の役割分担が自然発生的におこり、プロジェクトを達成するために一人ひとりの子どもが発達に応じた役割を分担できることです。役割は大人が決めるのではなく、子どもたちの中で決まっていくのですから民主的です。

 

この取組みを通して子どもたちは、様々な物事に対して絵本で調べたり、五感を使って「どうして?」と疑問や不思議さ、困難を解決するアイディアなどを考えたり、子ども同士で話し合ったり、保育者に聞いたりしています。自分の考えをみんなの前で堂々と話す姿、人の話をしっかりと聞く態度、またそんな姿を見て「やってみよう」と他の子どもたちが真似するといった、異年齢児保育ならではの自然な学びも見られるようになってきたそうです。2月上旬にこのブログでも紹介した鳥取県米子市にある「仁慈保幼園」を訪問して、プロジェクト型保育を学びに行く予定でいましたから、ナイス良いタイミングで実践している園のお話が聞けたことはラッキーでした。

 

約3時間にわたって育子園の保育理念と実践、保育環境をつぶさにご覧になる中で、特に園舎内のディスプレイやアトリエ、ダークルーム等の設置が、前回いらっしゃった時と変化していることに興味津々といったところでした。育子園には立候補した環境コーディネーターが数人いて、センスの良い保育空間を作っています。普段から雑貨や家具などに興味があり、園に使えそうなグッズはないかとアンテナを張っているのでしょう。そういうことに興味がない人にやってもらっても、本人も辛いし良いものはできません。「好きこそ、ものの上手なれ」の言葉どおり、育子園の保育者は一律に同じことをしない、自分の得意な分野で貢献できることは幸せなことだと思います。常に変化、進化、深化していく保育環境は仏教の基本思想、諸行無常そのものであり、諸法無我のごとく真理に沿っていると保育者と子どもが関係しあって楽しいスパイラル状態が起こっていくのです。

 

琵琶湖にほど近く京都から30分で行ける風光明媚な場所にある園です、いつか育子園の職員も視察にいくことがあるでしょう。

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Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

保育園に適した立地条件

2014年01月29日 水曜日

今年度4月には横浜市は待機児童0人にしたのですが、転入者等が増加し現在では数百人の待機児童が発生しています。様々な方策を講じた横浜方式は企業立、高架下保育園を増設し、3年間で140カ所の認可保育園を増産しましたが、列車の騒音がする下で子どもが生活している写真を見るとこのような場所で幼い子どもが一日中生活しているのはいかがなものかと多くの保育関係者は考えています。

 

横浜市の認可保育園は25%が企業立で、川崎市も30%に達しています。福岡市も待機児童解消のためにパチンコ屋、風俗店の近隣に保育所を造ろうとしています。産業廃棄物施設の隣に園庭の無い保育園ができるなどとにかく保育園を新設すればよいという子育て環境を配慮しないケースが多発しているのです。

このような背景には保育業界に新規参入させるセミナーなどが開催され、少子化の中でも保育は成長産業だとPRしているのです。

 

児童福祉法24条の一部改正、子ども子育て支援法、総合こども園法、認定こども園法改正などを進め、消費税が10%になった年度に新制度に移行する方向で協議をしています。区市町村はその地域で保育ニーズ調査を行い、5か年計画を立てなければなりませんが、肝心の保育料や保育運営単価は明示されるまでに時間がかかりそうです。

 

国は子ども6~19人以下の小規模保育を促進するために、保育士資格者割合を低くするなど保育の質を担保できるか疑問が残ります。子ども一人あたりの面積も国が示した基準を市区町村は参酌し、独自に決定できるようになるのです。保護者の就労時間に応じた保育が明確化され、月極め短時間・長時間保育(保育標準時間)に区分されます。

 

週3日登園や午後から登園の子どもなど、子ども集団という貴重な体験ができなくなる可能性もありますから、保育現場からこのような保育分断がされないように提言をしていかなければなりません。全国500万人の保育園利用者の新認定を来年度に行うことになるので事務業務の混乱が想像されます。

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Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ

保育のコストカットがもたらすもの

2014年01月28日 火曜日

国は幼保連携型認定こども園の3歳までの子どもは「教育」は必要はなく、3歳以上に教育を行うとしていますが、日々の保育の中では3歳以下にも教育的なかかわりはあるのですから、全年齢に対して養護と教育が不可欠です。国は保育園を幼保連携型認定こども園に移行してもらいたいと考えているようですが、移行してもらえば市区町村の保育義務が薄れますから責任が回避されるからでしょう。

 

厚労省と文科省の子ども関係予算は内閣府に移行され、補助金分配は白紙の状態から再構築されるようです。国は建物建設予算や民間保育所給与改善予算も見直され、市区町村の予算配分も0から考え直すことになるでしょう。

各市区町村によって格差が拡大することが想定されますから、現行の基準を低下させないようにそれぞれの保育現場から行政に対して具体的な提言していくことが必要になってきます。

 

従来の認可保育園の人件費率は総支出の70~80%ですが、経営効率を追求する園では50%の人件費で保育を行っているようです。待機児童が大勢居る地域では、多種業種が参入する可能性が高く、保育士人件費の抑制、給食食材カット、保育教材等の劣化、保育料値上げ等が行われ、保育業界のを揺るがす可能性が懸念されます。

 

何よりも子どもの視点に立った保育が議論されない新制度の課題、現行の保育水準を後退させない、自治体の単独助成の維持・拡充、障害児保育水準の後退、市区町村の保育実施責任の徹底が必須ですから、自治体ごとの子ども子育て会議等に現場の実情を文章化して提案していくことが大切です。

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「三宝」が整っている園は居心地が良い

2014年01月27日 月曜日

都市部の保育需要は供給量をはるかに上回っています。この現象はリーマンショック以来続いていますが、社会福祉法第24条に記されている自治体の保育応諾義務は果たされていないのが現状です。新卒保育者の半数、約2万人は他業種へ就職し、保育業界へ就職したにもかかわらず、短期間で離職する方々がいます。全国の保育園に通っている子ども数は212万人、保育士は38万人、保育士が足らないのです。多くの保育園では勤務時間が終わっても、翌日の準備や保護者の苦情対応をこなしています。離職理由のトップは賃金が希望と合わないことで、全保育士の60%が私立保育園で勤務してますが、平均月給は12年勤続で21万円程度です。

 

平均勤続年数も約8年、全業種に比べて4年も短かく、一度保育業界から離れると戻ってこないケースが多いのです。国が設定している基準賃金は2000年から据え置かれ、保育に関する公的支出はGDP比1%で先進国中では最低水準、昨年訪問したイタリア・ピストイア市では総予算の20%を子どもに投資しています。このような大差はどこから生まれてくるのでしょうか、保育業務を単に子どもを預かる仕事、子守り程度だと考えているからでしょう。

 

保育現場から再三にわたって国に対して保育者の処遇改善を訴えたことにより、2014・2015年度は年間数万円の上乗せ予算が実現しますが、先が見えないので一時金で支給する法人がほとんどだと思います。子どもに投資すると成人してから国に役立つ人間になると、先進各国は考え実践していますので参考にしてもらいたいものです。給与面もさることながら、労働時間内のおける子どもと接し続けている時間をどうとらえるかという根本的な課題もあります。

 

ほとんどの保育園では勤務時間の90%程度を子どもと一緒に過ごし、これが当たり前だと思い込んでいるようです。これも我が国風の風習で、子どもと離れている時間を保障しているのが先進国の考え方です。週40時間勤務だとすれば、10時間程度は子どもが居ない場所で、保育の質を高めるための研修、職員のコミュニケーション向上のための話し合い、企画会議、諸準備などの時間が保障されているのです。日本では「保育室からぬけて仕事をする」という妙な表現をしていますが、これはおかしな風土です。堂々と子どもからr離れて、保育の仕事ができる人的配置予算措置を早急に講ずるべきです。

 

育子園では新年度に向けて職員同士の話し合いを夜間に行っています。園長から言われてやっているのではなく、自発的に職員みんなで子どもにとってどんな保育環境設定にすることがベストなのか、先輩・後輩、年齢に関係なく意見を言える雰囲気が醸成されてきました。この風土は素晴らしいことで、仏教で最も大切にしている「三宝帰依(さんぽうきえ)…仏(仏さまに帰依し)・法(園の保育理念に帰依し)・僧(職員同志が帰依し)」が整っている状態だと感謝している日々です。

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2013イタリア保育視察の報告会

2014年01月24日 金曜日

P1040375昨年6月に杉並私立保育園連盟を中心に行った、イタリア保育視察研修の報告会を行いました。

このブログでも長期間にわたって報告しましたが、早いもので現地視察から半年が経過しました。報告会は園長会・保育士会合同で、育子園に約50人集まりました。19時からの報告会に先駆け、育子園の保育理念と実践を参加者に説明・見学会を開きました。参加園の多くは日本式大人主導の年齢別一斉保育を行っているようですから、育子園の子ども主体・子ども中心の見守る保育は珍しい保育と感じた方も多かったことでしょう。園内を見学した保育者は、楽しい仕掛けが満載で大人も楽しめる園だと感想を述べていました。

 

保育者の役目は何なのか、日本と保育先進国ではとらえ方が異なっています。日本の多くの保育者は、子どもは何もできない存在だから大人が主導して教えたり・させたりすることが役目だと考えてるようです。そのような風土が形成されている園では、大人の声が大きく・多くなりやすいのが特徴です。保育者が子どもをコントロールする、動かすということが主な業務だと考えているので、思い通りになあないと声が大きくなるのでしょう。

 

日々設定された保育計画を粛々と実行する、実行できる保育者が有能な保育者であり、良い子どもたちという図式です。そこからはみ出した保育者・子どもは困った存在として見られてしまうのです。保育者は上司や同僚を気にしながら保育するのですから、子どものことは二の次になりやすいといえます。心ある少数派の保育者が子ども主体の保育をしたいと思っても、組織風土を変えることが並大抵のことではありません。せっかく就職しても短期間で離職してしまう理由のトップが、組織風土と職員間の人間関係というのは大きな課題です。

 

一方、欧州を中心とした保育先進国は日本式の真逆なのです。本当に子どもが活き活きと、居心地良く発達を遂げていくには保育者は何をすべきかという発想で保育をデザインしているのです。子どもが熱中して遊べるモノを試行錯誤して探し、提供し、子どもの反応を観察して変化させていくという保育です。

 

イタリア報告会は、参加者の一人がiphoneで撮りためた映像を40分に編集した上出来のビデオと、視察参加者が印象に残ったポイントや今後の抱負を発表しました。そして次回は是非とも「北欧」方面を旅したい、夢は膨らんでいるようです。

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様々な待機児童数カウント方法

2014年01月23日 木曜日

日本の貧困率は増加し、若年層の非正規率は40%を超え、所得の平均値の半分以下16%の人々が子育てをしながら生活をしています。先進諸国の中でも特に日本の貧困率は高く、ひとり親家庭の貧困率は50%を超え世界最低レベルです。この10年間で給与は▲5%という状態で経済成長率を大きく下回っているのです。

 

現代ほど福祉としての保育の重要性が求められている時代はありません。保育のあり方、保育制度の在り方が問われています。多くの保護者は認可保育園に入園したいと考えていますが、たとえば平成25年度の杉並区は申込み数の内、入園できるのは40%程度にとどまりました。さらに先日発表された平成26年4月入園希望者は平成25年よりも約300人増加の3,257人で、入園可能人数1,436人をはるかに上回っています。

 

待機児童数のカウントの仕方も自治体によって異なっています。育児休業中の入園申込み者をカウントしないなど、待機児童数が多い自治体はマイナスイメージを懸念し、全国で数え方が一律でないのはおかしいと訴えています。入園申込みをして入園要件を満たしているのに入園できない子ども数を待機児童と数えるのですが、入園できずに退職した家庭数をどう扱うのかなど判断がまちまちです。

 

育子園のある杉並区では今年度から実態に即した数え方をしようと、育児休業を延長したり退職したケースも加算して数えた結果、従来の数え方では94人が285人になり、全国で最も待機児童数が増加した市区町村になりました。区では1,000人規模の定員増を目標に、新設や保育の最低基準内で定員を超えて受け入れる弾力化を行います。

企業立の保育園も数社が新規参入しますから、長年にわたって社会福祉法人を中心として様々な活動を行ってきた私立保育園連盟や公私立園長会のあり方も時代と共に変化していくことでしょう。

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冬のソウル

2014年01月22日 水曜日

P1040096P1040074韓国ソウルを訪問しました。日中の最高気温が氷点下でしたから、東京の冬は春のようなものです。寒いという表現より痛いという感覚、以前スキーで体験した山形蔵王頂上のマイナス23度には及びませんでしたが相当な寒さです。ソウル中心街の明洞は東京の繁華街と見間違う町並みですが、寒空の露店では冷えたザクロジュースやいわゆる韓国風B級グルメ店から立ち上る湯気に人だかりができていました。夕刻にはNソウルタワーに登って展望台から首都ソウルを一望しました。天気の良い日は仁川(インチョン)の近海、北朝鮮の開城(ケソン)にある松岳山まで見渡すことができるそうです。

 

初乗り300円のタクシーで「景福宮」の見学にもへ行ってみました。ここは1395年に建てられた最古の王宮で、勤政殿の背後に見える山々を眺めながら、修正殿、慶会楼などが続きます。ハングル文字で表記していないのはそれ以前に建立された建物群だということでしょう。とにかく広大な土地に建てられた数々の建物から、栄華王室の暮らし向きがしのばれます。

 

P1040108P1040113同敷地内にある国立民族博物館も見ごたえある施設で、韓国の方で日本大学で学んでいた日本語通訳ボランティアさんが広い館内を丁寧に説明してくださいました。展示物はハングルの起源や漢民族の風俗風習、日常生活や一生における儀式などに関する展示品は10万点を超えているそうです。子どもが生まれた家の飾り物、百日目を祝ったり、一歳の誕生日を盛大に祝うなど、子どもの成長を祝う習慣は日本と似ています。

 

段栄羽は20歳に冠礼を、女は15歳の時に笄礼という成人式を行うことで大人として認められ、婚礼により家庭を形成した。さらに男性は科擧という試験に受かり官職に就き、女性は家内を取り仕切ることが重要な義務だと考えられていたそうです。家族の死による悲しみは三年喪という喪礼のしきたりで克服し、亡くなった人は祠堂に祀って、祭祀を行うことで子孫の繁栄と親族の和合を図っていました。

 

育子園の法人本部では、ソウルと釜山に拠点を設置し、日本・中国・韓国の宗教者が一堂に会して平和な社会を創っていく取り組みや、韓国慶州にある先の戦争後日本に帰国できない日本人妻を受け入れている「慶州ナザレ園」への支援を地道に行っています。

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虐待する人の特徴

2014年01月21日 火曜日

虐待をしてしまう親への支援として、子どもの安心感・安全感を高めるために話を聞く、褒める、家庭のルール作りによる一貫して安定した態度が不可欠です。

保育園、幼稚園、学校での対策は、職員がDV・虐待についての共通意識、子どもの心身への反応を理解、安全、安心、自信を高める関わり方、暴力を用いないコミュニケーションの体験学習などが大切です。

 

暴力・加害行動を行う人の特徴として、自己中心的:自分さえよければ良い、無力なふり:~せずにいられなかった、被害者のふり:自分だって辛い、最小化:大したことはしていない、否認:そんなことはしていない、責任転嫁:相手が~だったから、責任放棄:どうかしていた、魔がさしたから、一般化:みんなも~している、男はみんな~などです。

 

家族間の暴力の特徴は、被害者から打明けられにくく潜在化しやすい、周囲の気づきによる発見とサポートが重要、孤立は加害者にとっても被害者にとっても最悪な状況をもたらすのです。

 

保育園は虐待を早期発見し通告する義務がありますから、たとえば食事場面での特異なガツガツ食べ、大人が手を上げただけで防御反応を示す、対人感情が浅く一貫性が無い、トラブルは力で解決しようとする、他者と対等な立場で接することができない、などの言動や身体負傷などを注意深く観察することになっています。何人にも侵すことのできない人権を保障する役目が保育園などの最も大切な使命です。

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冬は虐待が発見しにくい

2014年01月20日 月曜日

虐待を受けた子どもを親から引き離して保護した後に、子どもにどのような課題があるのでしょうか。子どもの喪失感として、親の行動は犯罪であるが、親自身は子どもにとっては大事な存在だと考えている、避難による失われた友達関係、場所、思い出などが崩壊、新たな人間関係が不安定で、シェルター等で悩む、転居や転園・転校に伴う生活変化によるストレスなどがありますが、安全な場所に移ってからもストレス、トラウマ反応が現れやすいのです。

 

専門者による支援上のポイントは、子どもに心理教育を行い信頼関係が構築されたうえで、子どもがどんな虐待を体験したのかを理解し、親と子ども双方の主訴を把握すること、子どもの行動の観察、親子関係のやり取りの観察、その後の経過について見続けていきます。親のしたことを他者に話すことが悪いことだと考えやすいので、話すことは悪いことではないという意識転換を時間をかけて行うことです。

 

自分だけが虐待を受けているのではないことや、他の事例を話してあげながら、自分の体験を話そうとするようになっていきます。親子間や家庭内のネガティブな内容を誇張しがちになりますが、親としてちゃんと役割を果たしていることなどは、評価してあげることです。

子どもの気持ちを受け止めながらも、暴力は絶対にいけないことは伝えていかないとその子どもがいずれ加害者になる可能性が高いのが最大の課題です。虐待を輪廻させないこと、今の世代で止めることが当事者だけではできないのです。

 

平成25年8月に改正された防止マニュアルによると、身体的虐待に「叩く」が加わり、躾のために「叩く」を肯定的にやっている、叩かないと躾けられない養育者がいかに多いかということが記されています。保護者自身の困難さ、夫婦関係の課題、経済問題が背景にあることが多いのです。

 

さらに心理的虐待に加えられたのは「特定のきょうだいに虐待をするのを他のきょうだいが見ることも虐待とする」という項目です。他者が虐待を受けている場面に遭遇するだけで自分を重ね合わせ虐待を受けていると感じるのです。これは家庭内だけにとどまらず、公衆の面前で虐待することはそこに居合わせた人々も虐待を受けていることになると考えられます。隣近所からの虐待通報は6月・10月が多い窓が開く季節、夏や今の時期は家庭内での虐待が発見されにくい時期なのです。

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