仁慈保幼園のダイナミックな長期間プロジェクト型保育
2013年12月18日 水曜日
荻窪北保育園の子どもたちが発案し、決定し、実行するという自発的・主体的な保育が本来的な保育ですから、大賛成です。園内にはその日の子どもたちの様子も、写真と文章で展示してありました。これも育子園のホームページで紹介している日々の保育実践記録日誌と同じ発想です。
長期間プロジェクト型保育とドキュメンテーション提示、日々の保育記録掲示をもっとも大切にしていきたいと考えていた矢先に荻窪北保育園の実践に出会えたのは計らいの世界です。そこで私からも、白梅大学汐見学長が紹介している鳥取県米子市の、「仁慈保幼園」が実践している3~5歳児の長期間プロジェクト型保育を紹介しました。
保育者が子どもたちの遊びの様子を観察する中で、新たに提案した「ビー玉万華鏡(テレードスコープ)」、これを提供したことで年間通して万華鏡から発案・発展していく大プロジェクト保育活動が展開されていったのです。最初は万華鏡で園内のあらゆるものを観察し、子ども同士で発表し始めるようになり、万華鏡の中がどうなっているかということに興味が移っていきます。それをサポートする保育者の発案で、万華鏡解体が行われ、意外にシンプルな構造だったことが解った子どもたちは、身近な素材で万華鏡を自作し始めます。
自分が見た綺麗な万華鏡の模様を、言葉を使って表現するには限度があると感じた職員の発案で、子どもがデジカメで万華鏡内に映った模様を撮り、プロジェクターを活用することで、みんなが共有・見える化したことで模様や工夫を共感できるようになりました。さらにステンドグラスに興味が湧くようになると関連する本を購入し、夏祭り用のお神輿も万華鏡とステンドグラスをモチーフにして設計・制作したり、人間が入れるビッグサイズの万華鏡を作り、11月には万華鏡映画会を子どもたちが自発的に企画運営する展開になっていくことになるのです。子どもの連続性の発達を保障し、遊びを中断させない、好きなことを集中して繰り返して取り組むという保育がそこにはあります。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ