善福寺川はどこからどこへ流れていくのか
2013年12月17日 火曜日
2013年6月に杉並区私立保育園を中心に実施したイタリア・ピストア、ボローニャへの保育・福祉視察研修の実践・報告を2014年1月に行います。参加対象者は、イタリア参加者と杉並区内保育園の職員で育子園が会場です。園を選んだ理由の一つに、ここ数年間で13人の保育者が欧州の保育視察に出かけ、園内の保育環境が大きく変化しているからです。
とりわけ、イタリア・レッジョエミリア、ピストイアで目の当たりにした、光・影・音などを五感・六感で感じて表現する空間をアレンジした「ダークルーム」や、子どもが思いっきり遊びこめる環境づくり改革を観てみようという企画です。
その打ち合わせで、荻窪北保育園を訪問しました。話し合いの前に園内を案内していただき、今夏に行われた年長のお泊り保育の写真集と記録集を見せてもらいました。今年のテーマは「川の探検」、散歩等で慣れ親しんでいる善福寺川は、どこで生まれてどこへ流れていくのかを探求したくなったのです。
昨年の年長が源流から海までを歩いて確かめたい、という取り組みの中で、善福寺川発祥の善福寺池まで4㎞の道のりを歩いたことを今年の年長がヒントにして、今年は下流へ向かって歩いてみたいというプロジェクトが始まったそうです。
職員は子どもたちの探究心を大切にして、実現できるようにサポートする役割に徹します。とわ言え、下流の道のりは未知数ですが、とにかくやってみようという前向きな園なのです。事前に地図や本でルートを考えたり、数人のグループに分かれて歩くことにしたり、準備は着々と進んでいったのです。そして、今回の歩きプロジェクトのゴールを育子園にしたいと園長先生から連絡をいただいたので、2つ返事で快諾しました。
善福寺川と神田川の合流地点があることに気づき、そこを見たいと計画したようで、合流地点から100mにある育子園、昼食会場と園庭遊びを存分に楽しんでもらうことになりました。遠くからはるばる歩いてくる子どもたちのために、給食室の職員がお味噌汁を作ってくれ、子どもたちに提供しました。園を出発し育子園までの道中で子どもたちが発した「つぶやき」を同行した保育者が見事に記録してある報告書を見ると、本当に子どものことを中心に考え、その瞬間に子どもが感じていることを見逃さないエピソード記録集は圧巻です。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ