名古屋の保育園の話
2013年12月13日 金曜日
高井戸保育園で杉並区私立保育園連盟・保育士会共催の研修会を開きました。講師は名古屋で初めての公設民営化保育園の園長先生です。待機児童問題は名古屋も東京に劣らず、定員は当初110人でしたが現在は130人に増やしました。賃貸方式による新保育園増設のルールは社会福祉法人が第一優先で、その次が企業立を参入させることになっています。
園のある地域は銭湯の煙突が沢山ある場所で、家にお風呂が無いご家庭の子どもたちが大勢通っているのです。離婚家庭、貧困家庭が多い中での保育は保護者対応がキーポイントですから、問題を抱えている保護者との面談を密に行っているそうです。家族関係のゆがみ、対人関係の希薄化、DV、虐待による不安を抱えた子どもたちが大勢通っているのです。
そのような環境に置かれた子どもたちに対して保育者の号令で子どもたちを動かす日本式一斉保育は通用しません一人ひとりの家庭背景を紐解きながら関わっていかないと園での生活ができないのです。例えば、子どもにとって楽しいはずの、遠足やクッキング体験がゆうつな子どもたちがいます。どうせ自分はコンビニ弁当、どうせ自分はエプロン無しなんだと見通しているのです。
小学校に上がってからも、保護者が学校で必要な物を用意してくれない子どもたちが大勢いることも忘れていはいけません。親に言えずに我慢している子どもの気持ちを大人が知っていることを子どもが感じ取れるように配慮すること。子どもの本当の気持ちを探る保育、子どもの現象面だけで子どもを判断していはいけません。子どもがどんなに我慢しているか、表情や言動を注意深く観察していく大切さを講師さんの話から学びました。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ