「いただきます」を言わないおかしな理由
2013年12月04日 水曜日
国は主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日が毎日の割合を、現在の60%から80%に引き上げ、野菜と果物摂取量の増加、食塩摂取量10.6gから8gへ減少することを目標にしています。そのためには各施設で食事に関する予算増が不可欠ですが、品質の良い食材が必要ですが、スーパーマーケットで売れ筋の弁当は298円、野菜を増やすと398円になり、これでは売れません。
ところが肉類が増えるのであれば売れるという皮肉な消費者心理がはたらいているのです。味付けも薄味を推奨するのですが、薄いとスーパー等で鮮度が保障できません。安価な弁当は常温で販売され、高価品は冷蔵されているのは安価弁当は塩分が高く、腐敗しにくいからなのです。
子どもの健康については、健康な生活習慣(栄養・食生活・運動)を有する子どもの割合を増加させることです。毎日3食必ず食べることに気を付けている子どもの割合(小学校5年生)を89.4%から100%に近づけること、低体重出生児が9.6%に増加しているのを減少、肥満傾向の子ども割合の減少をあげています。
高齢者の健康では、介護保険サービス利用者の増加制御、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)を認知、診断する国民の割合増加、足腰痛の減少、高齢者の社会参画増加、低栄養傾向増加の抑制を目標にしています。
学校給食の始まりは、貧困児をお寺の住職が賄ったことが起源で、給食とは食事を給する(給食)です。昭和27年に栄養改善法が制定され、やっと平成14年に健康増進法へと改善されました。そもそも給食とは、「その組織に属する者に対して、規定に従って食事を与える」となっていますが、与えられる食事で無料ないしは安く食べられる食事のイメージが定着してしまっています。利用者側も給食代を払わなかったり、給食代を払っているのだから、「いただきます」を言う必要はない、言わせないないでくれ、などという発想の方も増えているようです。代金を払っているとかではなく、私の命のために食材の命をいただくこと、食材の調理や物流などに携わっていただいた人々への感謝が込められています。
育子園でも皆で『みほとけさま、自然の恵み、多くの人に感謝していただきます』を唱和しています。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ