子どもに聴いてみる
2013年12月27日 金曜日
人は自分が勝手に決めた期待からはみ出ることを嫌う傾向があります。子育てにおいても同様ですから家庭や保育現場でも「可愛い」という言葉を使わないで子育て・保育をしてみると、自分中心で子どもをコントロールしていることが解ってくるでしょう。自分の思い通りにならない子どもの方が多いことを知ること、「可愛い」という言葉を使わない保育をしてみることも必要です。
子どものころの記憶にどろんこ遊び、ケンカ、冒険遊びなどがなく、塾で頑張らされた世代が現在の多くの親世代です。人間は自分の子どものころの経験だけで子育てをしているのですから、体験が少ない人は解決できない課題が多くなるのです。親の敷いたレールどおりに歩んでくれる子どもにしたがる傾向が強いのも現在の特徴だと分析されています。
自分自身が経験から学ぶ力が大きいという実感が弱いと、子どもは自分で発達していく力を持っている、大人はサポート役、大人が発達させることはではないのです。子どもがやりたいことを思う存分にさせてあげること、子どもの発達は自ら発達していく、子どもが自分で選択し、熱中し、失敗しても良いという安心感を与えることが大人の大切な役目です。
1980年代の日本は親主導で枠にはめようとする、抑制型子育てを象徴するように、親の言うことを良く聞く素直な子、我慢強い子、礼儀作法が身についた子ども、を望ましい子ども像としていました。アメリカは、親から離れて社会で生きる子ども、リーダーシップのある子ども、自己主張のできる子どもを重んじています。
日本の子育ては親が決めたがる傾向が強く、子どもが自ら発達していくということはどうでもよく、親の都合の良い子どもにしたがるようです。子どもが要求していることをかなえてあげれば、自然と親の気持ちを理解しようとする子どもになるのです。子どもがイヤ!と言えたことを欧米は喜ぶのですが、日本はどういうわけか否定してしまいます。子どもが望んでいることを聴いてみること、そこから始めるのが育児・保育に限らず人間関係づくりの基本です。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ