子どもと保育者は平等
2013年11月20日 水曜日
杉並区公私立園長会恒例の、保育園視察研修が行われました。今回訪問する園は公立園の園長先生の紹介で、神奈川県横浜市瀬谷区にある保育園でした。新築されたばかりの瀬谷区役所の隣地にある園で園舎も2年前に建て替えられたばかりです。全ての床材は無垢ヒノキ材で、新築当時はヒノキの香りが爽やかに香っていたそうです。各保育室には小上がりの和室があって、障子・格子戸風の建具が施されています。
同法人で5つの保育園を運営し、理事長は白梅学園大学学長の汐見先生です。あるとき汐見先生の提案で山梨県八ヶ岳一泊職員研修をすることになりました。法人の運営者は一斉に移動するためにバスを借りようと計画しましたが、汐見先生はなぜ皆を束ねようとするのですか、目的地だけ示しておけば人それぞれに行き方を選択するでしょう。職員の自発性に任せた方が良いですよ、おっしゃいました。人は自分で交通機関を選んで自分で目的地へ行くのが楽しいのです。
法人の理念は子どもたちを真ん中に、保育者と父母が手をつなぎ合い、支え合い、成長し合うことを「共育て、共育ち」と呼んで、日々の暮らしの原点にしています。仲間と一緒に遊び、思い描いたことを実現していく力、お互いを思いやる子心を、人間として生きてく大切な根っこと考えています。子どもたちは、平和な幸せな世の中を創る担い手です。子どもたちのありのままの姿を受け入れ愛し、一人ひとりが、かけがえのない存在として成長していくとを保障する保育園です。
保育者も子どもも平等ですから、保育者も「○○君」、「◆◆さん」と呼ばれています。保護者と共に取り組む行事が多いのも法人の特徴で、入園ウェルカムパーティー、親子遠足、夏祭り、流しそうめん、卒園式には卒園児一人ひとりに歌を作ってあげます。いずれの行事も父親が大活躍、父親をいかに園に来てもらうか、保育園の楽しさを知ってもらうか、入園したらその場で父親の会の活動を伝えています。
驚いたのは運動会も父親が実行委員会を立ち上げて運営してということです。テーマや競技、備品等も父親中心となって作り職員が手伝うシステムです。最初は尻込みしていた父親も参画していくうちに、楽しくて止められなくなるといいます。運動会後のお楽しみは父親と職員とで酒を酌み交わし、語り合い、その場で来年の実行委員を選出します。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ