保育予算を充実すると犯罪者が減る
2013年11月14日 木曜日
なぜ先進各国が保育・幼児教育に力を注ぐようになったかというと、子どもに対する学習支援では効果が期待できないという結果が出ているからです。これはアメリカで低所得家庭の3歳の子どもたちに質の高い保育を提供したところ、30歳になった時にその子どもたちの方が給与が高く、大卒者も多く、犯罪者は少なかったという追跡調査が物語っているのです。
犯罪者が多発し、それに対する刑務所経費等に国家予算を投入するよりも、幼児保育・教育を充実する方が効果的だということなのです。スウェーデンでも保育園に通っていた子どもの方が学力が高く、アメリカでは質の高い園では保育料15万円もかかる園ものですが、0歳から質の高い保育園に通っていた子どもが最も学力が高かったと報告されています。これは核家族で親と子どもが向き合っている環境は子どもに対して、あまりよくない影響を及ぼしているという結果なのです。
世界乳幼児精神保健学会では、3歳までは家庭で育つことが最善だということはいえないとしています。全ての子どもは質の高い条件の整った保育園で4ヶ月のコリックが終わってから育ててもらった方が良く育つ、と合意したのです。昔のように地域で子どもが育てるような時代ではなくなったということ、親子だけで限られた空間にいつも一緒に居ると子どもの発達を促せないと判断しているのです。
OECD保育白書、スターティングストロングⅠ・Ⅱ・Ⅲでは、良い人材を育成するためには、0歳からが重要だと分析しています。日本は保育園等の子ども1人あたりの面積を狭くしようとする動きがありますが、スウェーデンのヨーテボリでオメック学会で、日本の狭い空間で0歳児集団保育が紹介されると、欧州の保育者は驚いていたそうです。
欧州では3歳以上の保育・幼稚園教育を無償化していますからが、日本はどうなっていくのでしょうか。
日本の保育新制度設計の参考になる事例がありそうで、日本の貧困課題解決に応用できると良いでしょう。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ