保育の重点すべき場所とは
2013年11月29日 金曜日
先日、木育の研修会に参加しました。
今回は講演ではなく保育実践を見れる良い機会でした。
本拠地は京浜急行空港線「糀谷駅」より徒歩5分の場所にあるのですが今回移動講演のため仮設での木育実践を見させて頂きました。室内には大量の積み木が置かれてあり「直方体」「立方体」「円柱」・・・etcと種類豊富です。
積み木をおくスペースにはマットがランダムに敷かれてありましたがこれにも意図があり子ども達が分散して遊び込めるようにとの設定でした。
子どもがどのように遊ぶかを想定するためにはまず実践し、見て、計画を立てなければなりませんので保育の基本がここで見られました。
今回参加した子どもの人数は50人とかなり多く、施設の職員の方もこの人数に今日の内容を伝えるとなると厳しいものがあると嘆いていました。一斉保育となれば皆に一斉にさせるという事が一番難しいとこです。
内容としては、沢山の積み木を子ども達に提供し話を始めます。
遊びのテーマ〜みんなでドミノ★
内容
⑴ドミノ倒し遊び
・最初に木は生きているかと子ども達に問いかけ導入を始める。(50人程度)
↓
・1人一つ積み木を与え、二つのグループに分ける。
↓
・ドミノを始める(地面に描かれた線の上に皆で並べる)
↓
・更に積み木を繋げて、お山を作る。
↓
・線を増やし更に同じものを縦に四列作る。
↓
・端っこを曲げて繋げて行く(カーブを蛇みたいに)
↓
・ある程度積み上げたら、落ちている積み木を片付け始めるよう声を掛ける。
↓
・サーキットの外に子ども達を出して、ドミノの作り方を教える(階段部分は端っこに乗せるように等)
↓
・間が空いている所を子ども達と直していく。
↓
・ドミノを積んでいく(大人も)
↓
・ドミノを倒し、皆で喜び自由遊びに繋げる。
⑵自由遊び(建物作り)
・最初に、積み方を伝える(何個か積み立て、同じ高さになったら上に置く)
↓
・途中に新しい形の積み木を提供して発展を欠かさないようにする。
↓
・ある程度積み上げたら、隣の友達の建物と繋げて行く事を伝え、さらに発展するよう工夫する。
上記の内容は簡単な箇条書きですが、これを見て分かる通り活動は大人主導と子ども主導の半々でもあったような気がしました。
どの遊びにも強制的に約束事をしたわけではありませんが、大人数での一斉保育となると声が子どもに届かず大声を出したり、何か伝えるにも工夫が必要となります。先導していた職員にいつもこのような様子で活動しているのか聞いてみた所、「今回は異例です」と仰っていました。普段は少人数での関わりを大切にしているとの事です。
遊びの導入も素晴らしく、今手にしている積み木一つにどのような意味があるのか積み木は生きているのか?そんな哲学的な事を子ども達とああでもないこうでもないと細かく話しながらやるそうですが、今回は大人数集まり・・・なくなくそれを端折り皆で作るという意識だけに重点を置いて進めていくほかなかったようです。その為には、大人が切り上げる所を時間で決めたり、子どもの発展を止めたりするしかありません。
これらを踏まえて感じた事は、大人数での保育となれば個に合わせる事がかなり難しくなるという事です。数十人に対し、「今日はこれをやります」と人数に合っていない遊びの数や種類・内容を私たち保育士がやってしまってはならないのではないかと感じます。今、育子園では子どもの人数は多いもののそれに見合う環境設定をしています。クラスの枠を超え幼児グループ(3グループ)では3つの部屋の行き来だけではなくそれぞれの保育室が遊びのゾーンとなっており、子どもが自分の好きな場所で遊べるよう配慮しています。子どもが自発的になれる保育とは何かと常に考えながら保育していかなければならないと感じました。
リアンk★Y
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