麦太郎のドキュメンテーションの重要性
2013年11月28日 木曜日
横浜の研修大会に参加しました。
『保育をめぐる国の動向〜レッジョ・エミリアから学ぶ保育と保育ドキュメンテーション』というテーマで以前、イタリアのレッジョ・エミリアの本拠地に出向いた事を思い出しそれと照らし合わせながら学べるという非常に興味深い研修となりました。
講師は、秋田喜代美先生(東京大学大学院教育学研究科教授)で日本の教育学者であり心理学者でもあります。心理学・教育学両方の視点からもレッジョ・エミリアの保育が通ずることもあり、今回いくつかのモデルとなる園とレッジョ・エミリアの保育を照らし合わせてお話を聞かせて頂く事が出来ました。
まず保育ドキュメンテーションについてです。
1.「保育ドキュメンテーション」の記録が重要なのは、自らの保育技術や保育内容の質を向上させるだけではなく、次の保育や次の計画に繋げる為の計画、実践、チェック、課題の明確化・改善の流れを確実に増築していけるからです。
どのような保育観であっても、子どもの声を聴いて、見て、想像したり心の中のイメージしていくことはとても難しいことであります。(イメージに抗して動くことも)だからこそ、日々記録して内省していく事が必要になります。
(ドキュメンテーションとは何か〜)
・ドキュメンテーションは発達の記録ではなく、実践を記録するものであります。(子どもが夢中になっている瞬間等)子どもが何かやった・作った・という事だけではなくその過程を記録し掲示していく事です。
保育をしている中で子ども達は沢山の言葉や行動を見せてくれます。何か出来た、何か作った事ももちろん目に見えて素晴らしい所なのですが私たち保育士は子どもに何かをやらせる、作らせる事を保育としてやっている訳ではありません。工場とは違い、子ども達が何か作っている瞬間等は作業ではないからです。子ども達が自発的になれるような環境を用意し、それに対しどのように子どもが動き出すのかを見ています。もちろん保育士が用意した環境が発達に合っていなければ子ども達は興味を示さないでしょうし設定した環境を選びません。私たちは、子ども達に何かを教えるのではなく、子ども達の自発性が芽生えるような関わりをしていかなければなりません。
物的環境だけではなく人的環境も必要ですので、大人は子どもに対し答えではなく、ヒントやアドバイスをする事もあります。
最近接発達領域『子どもが新しいことにチャレンジする際に、自分一人の力だけでそれを達成できるときと、大人がほんのちょっとヒントを出すことで達成できることの発達のズレが生じる領域』を通し、私たち大人の存在が如何に重要かそして、ヒントやアドバイスを行っていたとしても忘れてはいけないのはそのアドバイスやヒントを使うかは子ども達だという事です。
これも環境設定と同じで、声をかけた対象の子どもの発達にあっていなければ子ども達には意味のない言葉ともなりえているという事です。アドバイスを受けて子どもがどう発展していくか、発展しない事に対しどうしてだろう?どんな声かけがあっていたのか?と考えてみる必要性が十分にあると感じました。これは、日頃の子ども達に対する『いかなる』場面での声かけの基礎ともなり得ていると感じます。
2.保育の中心を見えるようにする事。
※見える化する事です。
子ども達の発見・学びは何かが出来た瞬間だけではなくその過程に沢山あります。そして、その過程を見る事が出来るのは保育者です。子どものつぶやきや・行動を目で見れる・・・これは保育士ならではの一種のご褒美とも言えると感じました。
私たち保育者だけがそのご褒美(子どもの学び・発見・成長)をうちに秘めるのではなく提示していく必要性があります。海外の保育施設ではドキュメンテーションはなくてはならないものです。ドキュメンテーションが、保護者とのコミュニケーション・共生・協力・共に保育をしていける元となっていると感じます。
保育を見える化する事がドキュメンテーションの役割でもあります。
3.子どもは何を求めているのか?を常に考える事。
例) 時計を見ている子 保育士→物(時計)の名前を教えるのではなく、触れさせたり、音を聞かせたり・・・子どもが求めている物が『何なのか』考え提供する事が大切です。
★ドキュメンテーションを通して感じた事は子どもの姿だけではなく、保育士の保育を伝える方が大切でありそして、保育の形だけを伝えるのではなく、中身を伝える事こそが私たち保育士の行動の意味を記す事となると感じました。その上で保護者と一体となることを目的としていきたいと思います。
麦太郎
Posted in 園のこだわり