2013欧州で保育を学ぶ旅(27)
2013年07月26日 金曜日
隣の大きな池が見渡せる中庭のオープンスペース、天気の良い日はここで食事をすることもあります。フェンスの向こうにはジョギングをする人も見受けられ、緑と水辺が周辺にある保育環境は必見の価値があります。
保育室内はお話の部屋、工作室には、子どもをよく観察して発達に応じて素材を用意し、途中で変化させていきます。1、2歳児の子どもたちは好奇心のかたまりですから、一人ひとりの発見や研究に先生は付き合って観察しています。昨年と変化したところは、絵本の部屋で使っていたテーブルが一回り大きくなった点と、子ども一人ひとりのアルバムがラックに展示してあり、中を見ると家族で過している写真も入っています。園だけは解らないその子と家族の関わりが理解できるツールになっているようです。
午前中の見学研修が終わってランチタイムになりました。今回は給食室で作ってくれたパスタとパンを中庭テラスでいただきました。青空に白いパラソルが開いたテラスはリゾート気分を味わえる場所で、予定にはなかったフルートとホルンの演奏会が始まりました。参加者の先生の中にプロの演奏家がいらっしゃいますので、子どもたちの前に演奏をしていただきました。子どもたちは目を丸くして、演奏に聴き入り終わったら拍手をしていたのが印象的でした。食後のスイーツもたくさん頂戴し、リラックスしゆったりとランチタイムになりました。
昨年訪問したときに気になっていた絵本のお部屋にある、「絵本の救急箱」、今回は中身を確認することができました。一緒に参加した先生方に赤いバックを開いてもらうと、中には子ども用のはさみやセロハン、メンディング風テープ、スティックのりが入っていました。本が破れたり、擦り切れたりしたときにはこのバックを子どもが持ってきて、修復するのだそうです。子どもの自発性を引き出すためのツールとして、日本でもすぐに取り入れられそうな発想と実践です。
ラゴマゴ保育園を見学した参加者の感想として、
●日本文化は四畳半で全てのことをこなしてきた文化です、一つの空間をいかに活用するかということも大切ではないでしょうか。
●0歳児が自分でできることが多いことに感心しました。家庭的な雰囲気の中でということを大切にしていると感じました。
●保育者が信頼して子どものことを待っていることを学びました。
●水を入れていない花瓶をランチタイムテーブルに置いて、雰囲気を演出していました。
●整然とした教具、備品によって構成された保育室、ロビーなどは大変参考になりました。
●室内装飾、備品の色使いがとてもセンスが良いところは真似していけそうです。
●現在のピストイア方式が確立されて20年以上経過していますが、方式を創りあげた人たちがいなくなる時期ではないでしょうか、次のステップへの移行時期なのかと感じました。
などの感想を聞くことができました。一つ残念だったのは、同敷地内に隣接している幼稚園の見学が昨年出来なかったので、今回は是非と要望していたのですが、見学できなかったのが残念でした。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ