2013欧州で保育を学ぶ旅(24)
2013年07月23日 火曜日
働いているスタッフは2001年から学位が無いといけないシステムになりました、ボランティアで保育などを行った人や学位を得た人が保育園で働きたいとエントリーしても、退職する職員が少ないので、なかなか就職できない課題があります。資料を壁に展示してあるドキュメンテーションを見ながら、コミュニケーションを深めることを大事にしています。
この園は予約なしで利用できるシステムで、10家族が毎回利用しています。母親になるということは素敵なことですが重労働なのです。育児ノイローゼにならないように母親を救おうという発想でピストイアではこのようなシステムを開発したのです。おばあちゃんの言葉・伝承が少なくなってきています、核家族化で気持ちを聞いてもらえる人や場所が少なくなってきています。出会いの場所であり、閉じた目を開け、知識を与えられたり、与えたり、助言したりする場所になっています。
相手を褒めながら、相手の価値を認めながら示唆することが重要だと思います。たとえば、マーティールーターキングは、「夢は夢であるが、ひとりで夢をみるより皆で夢を見たら新しい現実になるのです」、と教えています。ここをポイントとして、市民として参加意識を高める場所として存在しているのです。出会いの場のイベントとしては、助産婦さんや心理学の先生などともであるチャンスを用意しています。給料は低いのですが、大好きな仕事であり、ピストイア市のために自分が役立っているという意識がこの仕事の魅力です。
子育て支援が従事しているピストイアに引っ越してくる家族が多いのです。そんな人々のために自分の身を尽くせる仕事は最高です。日本の長時間保育については、ミヤコ先生のビデオで見ましたが、病気の子どもを預かるのもビックリしました。人間の限度を超えた保育はいかがなものでしょうか、質の高い保育は長時間できなのでしょう。イタリアでは労働者の権利が保障されているのでこのシステムが成り立っているのです。しかしイタリアでも日本と同じように、年間スケジュールを出してくれというリクエストを受けるようになった点です。
この支援センターで学んだ最たるものは、環境コーディネーターによるクウォリティの高い室内装飾はさることながら、保育備品等が整然とたたずんでいる点です。日本ではごっこ遊び等が済んだあとは、棚やバスケットにしまうことを大切にしているようですが、このセンターのように細かい配慮を施して、テーブル上に並べてあるのも大変参考になります。窓の外を向いて座ってらせているぬいぐるみを見ていると、コーディネーターの目線、想いがを伝わってくる計算され整理整頓された空間構成です。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ