2013欧州で保育を学ぶ旅(23)
2013年07月22日 月曜日
子ども支援センターを訪問しました。ピストイアは植木の町、そして教育の充実した町です。経済的には厳しい状態ですが、教育にかける予算は削らないようにしています。新しいタイプの子どもが生まれてくるので、そのニーズに応じて子育て支援を変化させていこうと考えています。今の子どもたちに何を提供できるか、それは学校では学べないモノが大切だと考えています。4つのエリアがあります、黄色エリアは1986年にできた、本の読み聞かせの工房とリサイクルブロック遊びができます。
青エリアは表現力を学べます、自然環境を学べる緑のエリアは郊外にあって自然と触れあいます。校外授業で各色ゾーンを使っています、午後には家族と共に過ごせるようになっています。例えば黄色ゾーンの火曜日午後はオープンスペースになっていて、家族と触れ合う時間が少ない時代なので開放しています。赤のエリアも家族で過ごすエリアで、家族が中心でこの場所での支援を受けることができます。ピストイアの方針は子どもたちが健康で楽しく育つためにはどうしたらいいか、好奇心を引き出すにはどうすればいいか常に考えています。
2006年にこのセンターはオープンしました、元々は植木屋さんの邸宅にあった温室を活用しています。ピストイアの町を象徴しているような環境の中にできたのです。ムリーノ保育園は元粉ひき場を改造した園です。18カ月から36カ月の子どもを預かっているのが赤いゾーンです。このエレアは12カ月までの子どもが家族と共に利用できるリラックスできる設定になっています。短時間だけ開園している保育園もあるように、働いていない親でも利用できるように用意されています。入園リクエストが去年から全て受けられなくなってきているのが課題になっています。働いていない家庭の子どもも同年代の子どもたちと触れ合うことが大切と考えていますから、このような園も必要なのです。
月・木と火・金、水に分けて受け入れをしていて、10時のおやつから始まって子どもたちは18人グループで2人の先生が配置し保育を行っています。子どもたちが遊んでいる間は、大人同士の交流も行えるので効果的です。昔の子どもたちと変化していて、多様性ニーズを必要としています、それは家族も同じですから画一的な支援では対応できませんから、きめ細やかな支援を常に模索しています。民主的、合議的に運営されているので、お互いがコミュニケーションを深めることができるのです。
今年の活動は、例えばクッション作成、クリスマス飾り、音楽鑑賞などを企画しています。本を一緒に読む重要性を紹介する本を作りました、それによって自分で本を作ってみることも始まりました。自分たちの自由な時間をいかに過ごすかは様々ありますが、昨年は緑の中で活動するアグリトゥーリズムを親子で体験しました。今の社会問題として、孤独な人が増えているといえますから、他者との出会いのチャンスが最重要課題の一つだと思います。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ