2013欧州で保育を学ぶ旅(21)
2013年07月18日 木曜日
子どものプロジェクトを立ち上げるには、まず子どもを観察すること理解することからはじまります。保育者・教育者は週30時間子どもたちといるだけで、その他の時間は職員と保護者とのコミュニケーションを確保する時間があります。教育者のキャパシティをいかに広げていくかが大切なことです。
お話を伺って、日本は子どもと一緒に長くいることが保育者・教育者の仕事だと思い込んでいるのではないでしょうか。週30時間、週休2日とすると一日6時間ですから、保育者は心の余裕、身体的余裕、時間の余裕を維持しながら子どもと接し、仲間と課題シェアが可能なのです。その基本は長時間保育、延長保育などという子どもの側からすると大人都合の保育を行うつもりがないということに尽きます。
質疑応答の時間になりました。
質問:日本の都市部は待機児童解消が課題で、量ではなく質の高い施設を目指すためにピストイアに来ました。政治との結びつきがとても大切だと教えていただきました。家庭と地域と共に教育・保育を作り上げていくこと、それぞれの家庭の歴史を大切にしている点はどんなことでしょうか。
回答:保護者を強制的に参加させるのではなく、参加したくなるイベントを企画します。個人個人の興味のあるモノが違いますから、あらゆる個人が喜べるようなモノを用意するのです。保護者からのニーズで企画されるものもあるのです。自分の家族のことは他者に聴いてもらいたいものですから、傾聴する姿勢で教育者は関わります。質の高い教育・保育が高い保育ができあがってくのです。
3、4歳と5、6歳のグループで構成しています。玄関には保護者が興味のある本を家庭から持ち寄って、閲覧できるような場所があります。同じ興味を共用することで、コミュニケーションが広がっていくのです。自分が普段生活しているスタイルを表現できるゾーンが 用意されています。購入したものやリサイクル品も用意されていて、自分たちで遊びを考え出せる工夫もしています。子どもたち同士で共同して学び合うことそれがとても大切だと考えています。
登園すると心を落ち着けられるような絵本コーナーを設定しています。子ども一人ひとりの宝箱があって、その子にとって大切なものをしまえたり、友達に手紙を書いて入れたりできるように工夫しています。サイズは靴箱です。
3、4歳児は年間テーマを自分の生活を説明する、初めての本との出会いです。おおむね子ども15人に対して保育者1人、
5、6歳児は変身が年間テーマは、劇場を用意してありドラマを作っていきます。自分たちの感情、発想を自分の外に出す、表現することにしています。モノを良く観察すること、一人ひとりの見方は違っていますから、例えば同じ木を見ても描かれている絵は千差万別です。自然について学べる本を用意し、近くにある川などへ出かけて現場でも学んでいます。出かける時もテーマを定めていて、空想の世界と現実との共存遊びを際限なく行っています。ただ散歩に出かけていくのではなく、必ずテーマを定めています。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ