2013欧州で保育を学ぶ旅⑨
2013年07月01日 月曜日
イタリア・ピストイアの保育者たちは、子どもとそのグループが好むような空間を作ってやることがとても有益であると信じています。保育環境設定のコーディネーターは、空間が歴史をもったコミュニティへの帰属意識を子どもに伝えるものであり、それも新入生のすべてに届くような包括的なやり方で伝えるものであって欲しいと望んでいます。
例えば、部屋の大部分は地元の職人が作った枝編み細工の揺りかごや子どもたちの家庭の家具調度品に備えられています。空間(スペース)は、想像や空想によって地域の文化とのつながりを促します。まねごと、物語、おとぎ話を通じて、子どもと保育者は、想像上の役割を共に追求し初め、様々な感情に直面し、集団的な想像上の世界を形成します。材料や供給源を注意深く選んで、強烈で夢中になれるような経験を子供たちに提供します。
いわゆる寛大な環境と言われる時、その寛大さは、提供される材料の豊富さ、多様性に由来するだけではありません。その寛大さは、材料が追求され選ばれ子どもたちに提供される介護(ケア)そのものに含まれた、保育者たちの姿勢にも由来するのです。その寛大さは、観察の仕方、提供の仕方、提供のタイミングをよくしった、大人たちの注意深い姿勢にも由来します。
.このようにして保育者は、子どもの注意と共同関係を維持し、必要なときは、子どもたちの関心を元気づけ、子どもたちがすることを評価します。
保育者は自分たちの観測が客観的であり現実的であるように、子ども一人ひとりに細心の注意を払わなければなりません。更に良い聞き手観察者になるにつれて、彼らの子どもを教える姿勢が変化します。子どもの学習の幅が広がり、子どもの活動と相互の関係を観察し文書化するにつれて、子どもの関心を更に熟知し、その関心を正しい方向に促し導くことができるようになります。
子どもたちの興味や質問に大人の活動が密接に関係してくると、子どもたちは、もっと活動的になり、もっと熱心に学ぶ気持ちになります。 子どものアイデンティティは、拡張されます。
大人たちによって見守られ理解されながら子どもたち自身が経験すると、子どもたちは感情的に受け入れられ、アイデアと感情が真剣に受け取られていると考えるようになります。子どもたちは他の子どもたちや大人をますます信用するようになります。自分たちは能力があり成長しているという、一貫した感覚を抱くようになるのに役立ちます。子どもの自発的な学習が導かれることになります。保育者は子どもの活動を常に観察して、子どもたちの関心を満たし成長できるように、段階を踏んで子どもたちの学習を導くことができます。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ