佼成育子園[こうせいいくじえん]-東京都杉並区

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佼成育子園前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ
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園のこだわり

2013欧州で保育を学ぶ旅(30)

2013年07月31日 水曜日

P1110670P1110639イタリア・エミリア・ロマーニャ州都ボローニャでは保育園や社会福祉施設などを視察見学します。最初に訪問した保育園は、社会的協同組合が運営し行政が資金を出して建てた低所得者集合住宅内にある保育園です。社会的協同組合が保育園を運営するのは2000年からで、それまでは公的保育だけで運営されていました。この保育園の建物は公設ですが、運営は協同組合が行っています。市内も再開発が進んでいて、大小2カ所の保育園を運営しています。

 

P11106567万人の内2万人が移民で中国系、北アフリカ系の移民割合が高くなっています。多民族が同じ保育園に通うという課題を乗り越えて、集合住宅内の保育園が2011年にオープンしました。2000年以降移民増加で待機児童が増加して、公立保育園だけでは賄いきれなくなった背景があります。所得に応じて保育料は変化します、15人定員のうち移民の子どもたちの国籍は全て異なっています。

 

1歳から3歳までの子どもが通っていて、地域の特性に合ったものを考えていますが、家族が最も大切だと考えますから、保育園は家庭の肩代わりをするものではありません。家族を園の活動に巻き込むことを重視し、保護者が園内にいつでも出入りできるようにします。環境配慮型保育をめざし、自然素材やリサイクル品、紙おむつは使わずに、家庭で使っているキッチン用品なども活用しています。

 

保護者が参加しやすい行事日程を提案しているので100%の保護者が参加し、他にはワークショップ等も行っています。治安が悪い地域なので園庭に設置しておいた遊具が夜間に盗難にあってしまったそうで、対策を急いでいるところです。子どもの活動によってアトリエ、読書、食卓、などのゾーンを配置しています。開園は7:30から18:00までですが、午前中だけの子どももいます。

保護者と相談して、利用時間を決定していますので家族の生活リズムを重視し、家族で過ごせる時間を大切にしてもらうように配慮しています。1970年代から女性支援として、このような家族重視の保育が行われるようになってきました。公立の保育園、小学校は6月の第1週目で終わりますが、この保育園は7月末まで行っていますから、公立保育園に通っている子どもたちも受け入れています。

 

P1110662土日は休園ですが、子どもの誕生パーティー会場としての貸してほしいというリクエストがあった場合は開園します。保育園は公共施設なので園を利用していない方でも利用可能です。公立保育園は9月10日まで夏休みですが、この園は民営化されてから8月に夏季期間の保育が始まりました。職員は長期休暇が取れなくなりましたので、年間30日の休暇を交代で休むように工夫しています。

移民が多い地域で多言語の子どもたちが通っているのすが、子どもはすぐに溶け込んでいきます。各国とも保護者対応の方が難しく、自国文化を大切にしてあげながら話し合っています。7人の子どもに対して保育者1人です。シングルマザーも多く一人子が50%です。子どもにとって居心地が良い場所だと感じられること、他の子どもと過ごす中で社会性を身に着けていくことを重視しています。

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2013欧州で保育を学ぶ旅(29)

2013年07月30日 火曜日

この音楽学校には天皇皇后両陛下、礼宮さまがご訪問されたこともある学校で、大ホールにはカワイ製のピアノもあり、日本との交流の深さを感じます。オルガンの街ピストイアにふさわしく、大ホールのパイプオルガンはピストイアの木を使って全て手作業で作られています。我々の訪問を歓迎してくださって、音楽学校のウンベルト・ピネスキー理事長先生のパイプオルガンの演奏をご披露いただきました。引き続き参加者のホルン演奏とフルート演奏会で御礼し、音楽を通して絆が深まったようです。現在は430人の学生さんが主にピアノとギターを習いに来ています。いずれにしても建物は老朽化が進んでいて、修復作業には多大な費用が掛かるそうです。

 P1110566P1110536P1110544

ピストイアの保育園、幼稚園、子育て支援センター、音楽学校などの中身の濃い研修を終えてボローニャへ移動します。ボローニャに向かう途中、突然の豪雨に見舞われこの先どうなるかと心配されましたが、お陰さまでドライブインに到着する頃には日が差してきました。昼食はバイキングスタイルで、メンバーとシェアしてローカルイタリア料理を堪能し、ボローニャへ。

 

P1110604P1110595P11106061088年創設ヨーロッパ最古のボローニャ大学があるボローニャへやってきました。ホテル予約等の不手際がありましたが、予定していたホテルよりもランク上の駅前宿に宿泊できました。学園都市ボローニャは食通の都としても知られています。日本でもボロネーゼとして親しまれているパスタはこの地が発祥です。明日からの施設見学に備えて夕刻に市街地を散策してみました。大規模な都市開発を行っていないボローニャは欧州の中でも旧市街の保存状態が良い地域です。都市景観は優雅で町中には長く伸びたアーケード(ポルチコ)が張り巡らされています。町の中心部へやってきました、市庁舎もあるマッジョーレ広場は800年間の長きにわたり、政治、宗教の中心を担っています。初夏の日差しが眩しい広場北側のカフェで、地ビール「モレッティ」で喉を潤しました。

 

P1110616P1110623P1110624P1110629ここでもプリウスⅡがタクシーとして活躍しています、冷え性の車なので南仏向きでしょう。イタリアに来て初めてリンゴマークを発見、韓国勢が優勢なスマホ状態ですが、斜塔をバックにリンゴを撮影し、旧市街ポルチコ下のオープンレストランで夕食です。地元トスカーナの軽め赤ワイン、キャンティで乾杯し、定番ボロネーゼを食しながら旅の前半を語り合いました。

 

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2013欧州で保育を学ぶ旅(28)

2013年07月29日 月曜日

P1110478市役所でピストイア歴史について説明を受けました。市役所は1350年に建てられたもので、大聖堂に隣接し町の中心にあります。広場に集まってくる市民の様子が良くわかる場所で政治が行われています。市民の集いの場所でもあり1920年に開館された美術館も併設されています。子どもたちも興味を持つ建物です、市の紋章は猿で市庁舎の中にその猿が住んでいると仮定して、子どもたちは探索活動を楽しみます。

 

説明を受けた場所は夏の市議会場で天井が高い部屋です。隣には冬の市議会場があり、そちらは天井高が低く、高低差で温度をコントロールしているのだそうです。

壁面のフレスコ画は数百年もの間、未完成の状態です。子どもが市議会場の席に座って模擬議会を体験することがあります。たとえば動物を殺さないようにしようという議題が子どもたちからはあげられます。幼いうちから自分が生まれた地域の政治に参画する体験をとおして、郷土に対する意識と愛着が形成されていくのでしょう。

P1110510市役所に隣接しているロマネスク様式のピストイア大聖堂を参拝しました。この度で尋ねた宗教施設は10か所目、12世紀に建設された質素ながらも荘厳なひんやりとした空気感のある堂内でした。自分を見つめるには最適の空間です。

 

P1110499P1110489P1110508マリオマリーニ美術館を訪問しました。イタリアを代表する彫刻家でマリーニさんは全てのモノは色から始まると言っています。時代と共に現実的なモノから非現実的な変わっていきます、生涯のテーマは裸婦、馬と騎士、サーカスの3つでした。ここには3歳以上の子どもたちを連れてきて、『マリーニさんの芸術と遊ぼう』というテーマで楽しみます。作品を通して話をすること、実際に作ってみること、大地をテーマにしたプロジェクトや、家庭菜園に種を植えて土遊びをしたり、動物と人間が友達になるテーマは平和教育に発展していきます。

 

この美術館は1300年代に建てられた修道院でしたが、マリーニさんの死後、奥さんが1990年に改造して開館しました。子どもたちのための空間も用意され、年間6,000人の子どもが利用しています。お子さんがいなかったご夫婦は、世界中を旅して子どものための美術館を巡りました。

 

P1110522P1110524昨年訪問した時のブログでも紹介したとおり、岐阜県の白川町の音楽フェスティバルに参加したことをきっかけに、ピストイアと日本の交流が始まりました。

 

訪問したマベリーニ音楽学校の校舎は18世紀の建物です。市街からは少し離れた場所に建てられた理由は、農作物を集めるためでした。音楽学校になる前には老人施設として使用されていた歴史があります。建設当初は天井・壁フレスコ画で装飾されていましたが、老人施設になった時に壁は白く塗り替えられました。今は少しづつ壁面をはがしては当時のフレスコ壁面に戻すために時間をかけて修復しています。

 

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2013欧州で保育を学ぶ旅(27)

2013年07月26日 金曜日

P1110377隣の大きな池が見渡せる中庭のオープンスペース、天気の良い日はここで食事をすることもあります。フェンスの向こうにはジョギングをする人も見受けられ、緑と水辺が周辺にある保育環境は必見の価値があります。

保育室内はお話の部屋、工作室には、子どもをよく観察して発達に応じて素材を用意し、途中で変化させていきます。1、2歳児の子どもたちは好奇心のかたまりですから、一人ひとりの発見や研究に先生は付き合って観察しています。昨年と変化したところは、絵本の部屋で使っていたテーブルが一回り大きくなった点と、子ども一人ひとりのアルバムがラックに展示してあり、中を見ると家族で過している写真も入っています。園だけは解らないその子と家族の関わりが理解できるツールになっているようです。

 

P1110429P1110427午前中の見学研修が終わってランチタイムになりました。今回は給食室で作ってくれたパスタとパンを中庭テラスでいただきました。青空に白いパラソルが開いたテラスはリゾート気分を味わえる場所で、予定にはなかったフルートとホルンの演奏会が始まりました。参加者の先生の中にプロの演奏家がいらっしゃいますので、子どもたちの前に演奏をしていただきました。子どもたちは目を丸くして、演奏に聴き入り終わったら拍手をしていたのが印象的でした。食後のスイーツもたくさん頂戴し、リラックスしゆったりとランチタイムになりました。

 

P1110376昨年訪問したときに気になっていた絵本のお部屋にある、「絵本の救急箱」、今回は中身を確認することができました。一緒に参加した先生方に赤いバックを開いてもらうと、中には子ども用のはさみやセロハン、メンディング風テープ、スティックのりが入っていました。本が破れたり、擦り切れたりしたときにはこのバックを子どもが持ってきて、修復するのだそうです。子どもの自発性を引き出すためのツールとして、日本でもすぐに取り入れられそうな発想と実践です。

 

 

ラゴマゴ保育園を見学した参加者の感想として、

 

●日本文化は四畳半で全てのことをこなしてきた文化です、一つの空間をいかに活用するかということも大切ではないでしょうか。

●0歳児が自分でできることが多いことに感心しました。家庭的な雰囲気の中でということを大切にしていると感じました。

●保育者が信頼して子どものことを待っていることを学びました。

●水を入れていない花瓶をランチタイムテーブルに置いて、雰囲気を演出していました。

●整然とした教具、備品によって構成された保育室、ロビーなどは大変参考になりました。

●室内装飾、備品の色使いがとてもセンスが良いところは真似していけそうです。

●現在のピストイア方式が確立されて20年以上経過していますが、方式を創りあげた人たちがいなくなる時期ではないでしょうか、次のステップへの移行時期なのかと感じました。

 

などの感想を聞くことができました。一つ残念だったのは、同敷地内に隣接している幼稚園の見学が昨年出来なかったので、今回は是非と要望していたのですが、見学できなかったのが残念でした。

 

 

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2013欧州で保育を学ぶ旅(26)

2013年07月25日 木曜日

P1110375ピストイア市内の北部、ラーゴ通り沿いにあるラゴマゴ保育園を訪問しました。昨年9月にもこの園を訪問し、整然とした環境設定を是非とも今回の参加者にも体験して欲しいと思い再訪したのです。園舎の北側は池を中心とした公園が拡がっているゆったりとした住宅街の中にあります。 

3か月から3歳児までの保育園で、1階が1歳児の子どもたちのスペースです。2階が3歳児までのエリアです。職員は9人の先生と2人のアシスタント、基本開園時間は7:30~15:30までですが、18:30までの延長保育も受け入れています。

 

周囲は自然環境が保たれていますから、自然素材やリサイクル素材をふんだんに保育の中に取り入れ、子どもたちの探求心を高め、発達を促しています。ドキュメンテーションによる掲示物を充実させることで、保護者や見学者への保育実践を伝えています。子どもたちが生活の主人公、皆で優れた素材に囲まれて過ごすこと、子どもたちにとって園で過ごす時間はとても重要な位置を占めています。

 

P11103682、3児は36人です、9人づつ入園してくるので非常に落ち着いています。午前中は9人グループに分かれて活動しています。マスコット犬のペギーちゃんは毎週末は各家庭に連れて帰り、週明けにどうやって過ごしたか話してもらいます。幼い子どもにとって家族的な環境が大切だと考えて、室内を設定しています。壁面のイラストレーション、表現の部屋では子どもの発達を観察して様々な素材を提供しています。

 

大人が想像しないことを子どもたちは見つけ出していくのです。質感、音、触感を味わえるもの、自然素材などは夏休み中に見つけたモノを保護者が提供する場合や、地域住民が持ってきてくれることもあります。子どもたちは研究心にあふれています、社会性や教養が高まっていくためには皆で子どものためになる環境を整えていく必要性があります。顔料、鉛筆、クレヨン、布、各種紙類、イーゼルなど本物を提供しています。

 

図書室、物を大事に使うこと、ブロック室、木製のモノを揃えて子どもたちをつぶさに観察して、1980年代にコーディネーターと建築家が話し合って、この保育環境を造り上げていきました。整頓されていること、非日常的、大人にとっては不必要なモノが子どもにとっては宝物であるのです。

 

P1110382週案で4グループのスケジュールを話し合い、1グループは1週間同じゾーンで継続的に遊ぶようにしています。1週間を超えて同じゾーンで過ごしたい子どもがいれば、その子どもの気持ちを尊重します。4グループの特徴も現れてきます。9人づつ入園してきてグループを構成し、担当する先生も3年間同じです。当然のことですが他のグループとの交流は日常的に行っています。9月3週目から11月が入園期間なので、1週間に2人づつ入園してきます。基本的空間設定は変えませんが、常に改善を加えています。

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2013欧州で保育を学ぶ旅(25)

2013年07月24日 水曜日

P1110332P1110339P1110366テントウムシ幼稚園と子育て支援センターを見学した後は、ピストイア旧市街地を散策しながらホテルへ帰着し、会議室で振り返りの会を行いました。20人の参加者がグループに分かれファシリテーター役を中心に語り合い、グループで話し合われたことを発表しました。

 

①テントウムシ幼稚園の環境は素晴らしい、デンマークでも見てきたが、森が多い中に園がある、テントウムシは日本では捕まえてしまう、ハード的な面ではかなわないが、室内は何とでも環境構成ができるのではないか、ねずみ一匹入れないつめこみ状態はどうなのか、時間に追われない保育、日本の子育て環境はワークが先、ライフワークバランスでは有るべきではないか、日本政府行政が変わらなければならない、日本の役人が来るべきだと思う、今の状態ではどうなのか、怪我をさせない保育でいいのか、現場は大変だ、新園舎に参考にしたい。

 

②保育と政治・行政との結びつきが大切なのだが印象的、どうやって行けば政治・行政を変えられるのか、触れないではいけない、子どもにあった社会にするしかない、子どもは枠には入らない、そんな子どもは面白くない、子どもは芸術家、素材を用意すること、保育者の考え方を変えること、善福寺川にサギがいる、蛇もいる、田んぼを借りている、やればできなことはない、保護者と一緒に楽しんでいきたい、ひとりで夢を見てても皆で夢をみれば実現できる、子どもたちと一緒にやっていきたい、手を書けいること、いいなと思った。

 

③テントウムシ幼稚園が理想的、自然物を芸術まで高めるのは素晴らしい、継続できないでいた、保管場所の課題、自分が望んでいる原点に出会えた、今は安全安心が第一過ぎる、道草して欲しい、それができない環境、子どもが寄り道をするのをガードする保育者であるべき、日本はディズニーランドに行くのが最高だと思っているのはいかがなのか、それよりも近くの公園へ出かけてみましょう、納得してくれる親もいる、イタリアが芸術の国といわれるが貧乏だから良いものが生まれてくる、町全体が子育てにプライドを持っていることの素晴らしさ、怪我をさせないことの保育をやってきたのはどうだったのか、反省させられる。

 

④ありえないというテーマが出てきた、子どもが大切にされている、8時間以上働くのはあり得ない、長時間保育が当たり前なのはどうなのか。

 

⑤芸術に対する意識が違う、見たら驚いた、真似するより自分たちのことを学ぶ、障害児は優先的に保育を受ける、日本では親が認めない、宝箱は日本ではできるのか、保育目標、尊重、マテル、分け合える、外面が美しい、長時間保育をやらざるを得ないが、労働環境変えていきたい、社会を変えたい、家族や父親の意識、家族を巻き込む取り組み、父親を巻き込んでいくこと、親、子ども、保育者が孤立している、子どもを受け止めている、日本はマイナスに受け止める、保育士が健康であること、それが保育に影響する、日本の保育は子どもの為といいながら大人のためになっていないか、心を高める取り組み、政治と結びついている、20%を子どものためには凄い、コミュニケーションによる成長、一人遊びもよいが子ども同士の関わりの良さ、自園の良さ、他園の良さが見えた、子どもの中を引き出すこと、家族ニーズを引き出す、手間をかけず集客力があるものになっている、宝物箱活用したい、親と協力していきたい。

 

参加者は和気藹々で様々な感想、意見があげられました。

 

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2013欧州で保育を学ぶ旅(24)

2013年07月23日 火曜日

P1110257働いているスタッフは2001年から学位が無いといけないシステムになりました、ボランティアで保育などを行った人や学位を得た人が保育園で働きたいとエントリーしても、退職する職員が少ないので、なかなか就職できない課題があります。資料を壁に展示してあるドキュメンテーションを見ながら、コミュニケーションを深めることを大事にしています。

 

この園は予約なしで利用できるシステムで、10家族が毎回利用しています。母親になるということは素敵なことですが重労働なのです。育児ノイローゼにならないように母親を救おうという発想でピストイアではこのようなシステムを開発したのです。おばあちゃんの言葉・伝承が少なくなってきています、核家族化で気持ちを聞いてもらえる人や場所が少なくなってきています。出会いの場所であり、閉じた目を開け、知識を与えられたり、与えたり、助言したりする場所になっています。

 

P1110296相手を褒めながら、相手の価値を認めながら示唆することが重要だと思います。たとえば、マーティールーターキングは、「夢は夢であるが、ひとりで夢をみるより皆で夢を見たら新しい現実になるのです」、と教えています。ここをポイントとして、市民として参加意識を高める場所として存在しているのです。出会いの場のイベントとしては、助産婦さんや心理学の先生などともであるチャンスを用意しています。給料は低いのですが、大好きな仕事であり、ピストイア市のために自分が役立っているという意識がこの仕事の魅力です。

 

P1110299P1110298子育て支援が従事しているピストイアに引っ越してくる家族が多いのです。そんな人々のために自分の身を尽くせる仕事は最高です。日本の長時間保育については、ミヤコ先生のビデオで見ましたが、病気の子どもを預かるのもビックリしました。人間の限度を超えた保育はいかがなものでしょうか、質の高い保育は長時間できなのでしょう。イタリアでは労働者の権利が保障されているのでこのシステムが成り立っているのです。しかしイタリアでも日本と同じように、年間スケジュールを出してくれというリクエストを受けるようになった点です。

 

P1110302P1110319P1110297この支援センターで学んだ最たるものは、環境コーディネーターによるクウォリティの高い室内装飾はさることながら、保育備品等が整然とたたずんでいる点です。日本ではごっこ遊び等が済んだあとは、棚やバスケットにしまうことを大切にしているようですが、このセンターのように細かい配慮を施して、テーブル上に並べてあるのも大変参考になります。窓の外を向いて座ってらせているぬいぐるみを見ていると、コーディネーターの目線、想いがを伝わってくる計算され整理整頓された空間構成です。

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2013欧州で保育を学ぶ旅(23)

2013年07月22日 月曜日

P1110253子ども支援センターを訪問しました。ピストイアは植木の町、そして教育の充実した町です。経済的には厳しい状態ですが、教育にかける予算は削らないようにしています。新しいタイプの子どもが生まれてくるので、そのニーズに応じて子育て支援を変化させていこうと考えています。今の子どもたちに何を提供できるか、それは学校では学べないモノが大切だと考えています。4つのエリアがあります、黄色エリアは1986年にできた、本の読み聞かせの工房とリサイクルブロック遊びができます。

 

青エリアは表現力を学べます、自然環境を学べる緑のエリアは郊外にあって自然と触れあいます。校外授業で各色ゾーンを使っています、午後には家族と共に過ごせるようになっています。例えば黄色ゾーンの火曜日午後はオープンスペースになっていて、家族と触れ合う時間が少ない時代なので開放しています。赤のエリアも家族で過ごすエリアで、家族が中心でこの場所での支援を受けることができます。ピストイアの方針は子どもたちが健康で楽しく育つためにはどうしたらいいか、好奇心を引き出すにはどうすればいいか常に考えています。

 

P11102922006年にこのセンターはオープンしました、元々は植木屋さんの邸宅にあった温室を活用しています。ピストイアの町を象徴しているような環境の中にできたのです。ムリーノ保育園は元粉ひき場を改造した園です。18カ月から36カ月の子どもを預かっているのが赤いゾーンです。このエレアは12カ月までの子どもが家族と共に利用できるリラックスできる設定になっています。短時間だけ開園している保育園もあるように、働いていない親でも利用できるように用意されています。入園リクエストが去年から全て受けられなくなってきているのが課題になっています。働いていない家庭の子どもも同年代の子どもたちと触れ合うことが大切と考えていますから、このような園も必要なのです。

 

月・木と火・金、水に分けて受け入れをしていて、10時のおやつから始まって子どもたちは18人グループで2人の先生が配置し保育を行っています。子どもたちが遊んでいる間は、大人同士の交流も行えるので効果的です。昔の子どもたちと変化していて、多様性ニーズを必要としています、それは家族も同じですから画一的な支援では対応できませんから、きめ細やかな支援を常に模索しています。民主的、合議的に運営されているので、お互いがコミュニケーションを深めることができるのです。

 

P1110281今年の活動は、例えばクッション作成、クリスマス飾り、音楽鑑賞などを企画しています。本を一緒に読む重要性を紹介する本を作りました、それによって自分で本を作ってみることも始まりました。自分たちの自由な時間をいかに過ごすかは様々ありますが、昨年は緑の中で活動するアグリトゥーリズムを親子で体験しました。今の社会問題として、孤独な人が増えているといえますから、他者との出会いのチャンスが最重要課題の一つだと思います。

 

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2013欧州で保育を学ぶ旅(22)

2013年07月19日 金曜日

P1110169幼稚園は朝7:30開園、登園時間は家庭によって異なります。園内には朝ごはんを食べるスペースがあります。子どもたそろうとその日のスケジュールを子どもと一緒に話し合うことになっています。

これは使えそうだと感じたのは、顔の表情、笑っている、怒っている、泣いているなどが書いてあるサイコロです。子どもたちが転がして、出た表情の話を即興で表現し、コミュニケーションを深めています。

 

科学に関心を持ち始めるころですから、散歩に出かける時にも流木、小石などを拾ってきて展示してある棚があり、保護者も自発的に持ち込み可能です。自然素材を使うこと、例えばドライフラワーづくりを行って、作品素材にする取り組みも行っています。自然をどんなふうに感じるかを子ども目線で考えていきます。つるしてある森というテーマのジオラマでは、針金を使って作った森はアトリエスタも共に関わっています。

 

P1110140モノを描くことに興味を持ち出す発達過程を保障できるように自由掲示板を設置して、子どもが作成するお当番表などに活用しています。たとえば、お天気当番の子どもは今日の天気を絵で表現しています。大人が教えるよりも、子ども同士で学び合う中で字を覚えていきます。自分の家から持ってきた大事なものは「宝箱」に入れておいたり、郵便箱を設置してあるクラスもあり、友達相互にメッセージを交し合い、関係性を体験していくのです。

 

2階には広大なアトリエがあり、ピストイアの街の地図を作ることに取り組んでいます。y壁面には保護者が提供した近くを流れる川の写真が飾れてあり、川の源流から下流までを解りやすく説明してあります。マリーノ・マリーのさんの美術館へも子どもたちは出かけていき、本物の現代美術に触れることで素敵なモノを感じることが大切だと考えています。

 

P1110216図書ルームの絵本分類は、怖いモノの本、楽しい本などに分けられています。気に入った本は借りて帰ることができます。3歳児のクラスで図書室の使い方を学んだ後に、実際に使えるようになります。プロジェクターを使って、壁面に絵を映し出し子どもたちがお話を展開していくのです。クラス全体で活動することはなく、少人数で様々なコーナーやゾーンに出向いて遊べます。園を紹介してある写真集もあり、年間と通して遊んでいる子どもたちの活動、製作などの様子が説明してあります。アトリエスタと一緒に製作活動を行っている場面も解りやすく示され有ります。見学者が感想を書けるサインブックも用意してあるので、我々も書いておきました。いろいろな人がいるから子どもたちは自分で学んでいけるのです。

 

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2013欧州で保育を学ぶ旅(21)

2013年07月18日 木曜日

P1110134子どものプロジェクトを立ち上げるには、まず子どもを観察すること理解することからはじまります。保育者・教育者は週30時間子どもたちといるだけで、その他の時間は職員と保護者とのコミュニケーションを確保する時間があります。教育者のキャパシティをいかに広げていくかが大切なことです。

お話を伺って、日本は子どもと一緒に長くいることが保育者・教育者の仕事だと思い込んでいるのではないでしょうか。週30時間、週休2日とすると一日6時間ですから、保育者は心の余裕、身体的余裕、時間の余裕を維持しながら子どもと接し、仲間と課題シェアが可能なのです。その基本は長時間保育、延長保育などという子どもの側からすると大人都合の保育を行うつもりがないということに尽きます。

 

質疑応答の時間になりました。

質問:日本の都市部は待機児童解消が課題で、量ではなく質の高い施設を目指すためにピストイアに来ました。政治との結びつきがとても大切だと教えていただきました。家庭と地域と共に教育・保育を作り上げていくこと、それぞれの家庭の歴史を大切にしている点はどんなことでしょうか。

 

回答:保護者を強制的に参加させるのではなく、参加したくなるイベントを企画します。個人個人の興味のあるモノが違いますから、あらゆる個人が喜べるようなモノを用意するのです。保護者からのニーズで企画されるものもあるのです。自分の家族のことは他者に聴いてもらいたいものですから、傾聴する姿勢で教育者は関わります。質の高い教育・保育が高い保育ができあがってくのです。

 

P11101423、4歳と5、6歳のグループで構成しています。玄関には保護者が興味のある本を家庭から持ち寄って、閲覧できるような場所があります。同じ興味を共用することで、コミュニケーションが広がっていくのです。自分が普段生活しているスタイルを表現できるゾーンが 用意されています。購入したものやリサイクル品も用意されていて、自分たちで遊びを考え出せる工夫もしています。子どもたち同士で共同して学び合うことそれがとても大切だと考えています。

 

登園すると心を落ち着けられるような絵本コーナーを設定しています。子ども一人ひとりの宝箱があって、その子にとって大切なものをしまえたり、友達に手紙を書いて入れたりできるように工夫しています。サイズは靴箱です。

 

3、4歳児は年間テーマを自分の生活を説明する、初めての本との出会いです。おおむね子ども15人に対して保育者1人、

P11101415、6歳児は変身が年間テーマは、劇場を用意してありドラマを作っていきます。自分たちの感情、発想を自分の外に出す、表現することにしています。モノを良く観察すること、一人ひとりの見方は違っていますから、例えば同じ木を見ても描かれている絵は千差万別です。自然について学べる本を用意し、近くにある川などへ出かけて現場でも学んでいます。出かける時もテーマを定めていて、空想の世界と現実との共存遊びを際限なく行っています。ただ散歩に出かけていくのではなく、必ずテーマを定めています。

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