ドイツ研修 Part5 ~冒険広場~
2013年07月26日 金曜日
最後に行った冒険広場は、学童の施設です。
今は6歳から14歳までの子どもが居て、門が開いている間(14時から16時)は、誰でも来てよく無料です。
昼多い時は、200人ぐらいになるようです。
事故は自己責任になっています。
見ていて誰もがおかしと思われるようなことがない以外は、遊びの一環として自由に任せています。
約1400平米の敷地に子どもたちが作っている家が45件建っています。
その家は、土台と柱と屋根は、専門の大人が建てていますが、後は子どもたちが自由に作って遊んでいます。
ここに来る子は、会員カードを持っていて、そのカードで工具などを借りることが出来ます。
そして何番の家を借りるかを決め、ノートに名前を書くと1~2週間ほどその家を借りることが出来ます。
工具以外のものは、ここだけのお金(ターラ)で買えます。
このお金を得るには、ここで働く必要があります。5分働いて、1ターラ貰えます。
1ターラで釘10本かネジ5本が買えます。
お金を貰うための仕事には、ゴミ拾いをしたり、木を集めたり、穴を埋めたりしてもお金を稼ぐことが出来、道具を買うことが出来るのです。
家には、木を打ち突けて壁が出来ていました。
家と家を渡り廊下で繋がれていたり、階段があったり、ペンキで色が塗られていたり、自分でかのマークを描いたりとそれぞれ思い思いで家を作っています。
また、家の中に椅子やテーブルがあったり、ベットまで作ってあるところもありました。
そこで遊んでいた子どもたちは、渡り廊下を辿って行って家から家に遊びに行ったりしていました。
日本にはない画期的な遊び場ですが、この施設は1970年代にデンマークから来たようです。
戦後ミュンヘンは8割が壊滅状態にあり、大人は復興に忙しく、子どもはそんな大人の周りに居るしかなかった時に、子どもたちに遊び場を作ろうということでロンドンから教育者を2人呼んで作っていったということです。
ここでは、7~8割がた移民関係の人たちで低所得者が多く、失業中、悪い条件で働いている人がほとんどです。
でもここに遊びに来ればどの子も同じというスタンスで接しているとのことでした。
年間7000ユーロのお金がバイエルン州から出ており、寄付も募っています。
年間1万2000ユーロ預かっています。
そのうち木材は3000ユーロ、釘などは2000ユーロ使ってますが、木材は貰うものもあります。
子どもたちはストレスを抱えている子も居ますが、ここで発散して帰っていくのです。
本格的に遊べる場所があり、思いっきり自分の好きなように作るのは魅力的ですが、日本だったらケガを気にしてなかなかここまで出来ないでしょう。
小学生に電気のこぎりを使って木を伐らせ、事故が起こっても自己責任というのを(電気工具は大人の見えるところで使わせるということではありますが…)日本の保護者は何かあった時に納得するでしょうか…?!
ここまでやっていいと言えるなんて夢のようです。
是非日本の子どもたちにもやらせてあげたいという気持ちはありますが、かと言って、ここのスタッフとしてこれだけのものを見ていく責任を持てるかと言われれば、引いてしまうものを感じます。
凄く魅力を感じながら、複雑な思いに駆られました。 M.K
Posted in 園のこだわり