輝く太陽
2013年07月04日 木曜日
さて、早速研修の話に戻りますね。
ボローニャの山間に緑豊かな農園がありました。
バスが止まり、私たちはその農園へ降り立ちました。降りるとそこは、ラベンダーやベリーの花々が咲いていたり、野菜をペーストしたビンが売っていました。ホッと息をつきみんな買い物へ!小ビンをかったり花を見たり、素敵な研修のひと休みでした。
買い物も終わり、さて移動していざ研修へ!…と思っていたら、「どうぞこちらへ」と…。案内されたのは緑の草の上に椅子が円になっていたところでした。そうです!青空のしたでの研修だったのです。
青空の下でみんなで輪になって研修をうけるのはなんとも新鮮で素敵な時間でした…。
…で終わっては申し訳ないので、この農園についてお話ししたいと思います。
実はこの農園は*COPAPS**という名の障害者支援組合でした。
案内してくださったのは、現在この農園の理事長さんが案内や話をしてくださいました。
1979年に農業組合が、農業活動を通して障害者の支援を行っていました。1976年障害者特別学校ができましたが、卒業後の行き場がないのが現状だったようです。そこで、障害者のご両親と農業と一緒になり働く場所を作っていきました。
その働きによって農業協同組合から社会的農業組合になったそうです。農業組合では、花の苗や木の苗を育てていたりしてます。
社会的法人では、緑地のメンテナンス、墓地や公園など公的なものや家の庭など民間からの依頼もあるそうです。
しかし、実際は障害者を新しく雇用するのが困難。それは、なかなか売り上げがのびずにいるためだそうです。対策として、土地を3000ヘクタールあるうち12ヘクタールをプラスにできないか交渉中したり、現在持っている土地の中で使えていない土地もあるようで使えるようにして雇用を増やす計画もしているそうです。
イタリアは小1〜小5、中1〜中3、高1〜高校5年まであり、そのうち高校2年までが義務教育になっていて、それは障害者も同じです。
また、障害者の雇用は義務となっていて、従業員何人に対して何人雇用しないといけないと定められているそうです。軽度〜中軽度は職業訓練をしながら仕事を探し、さらに重度の方はリハビリをしながら職業訓練というよりは生活の自立を促すしているそうです。
実際には、スポーツセンターに農業で作った果物ジュースを配ったり、袋詰めして出荷したりと個々の出来る範囲で行っているそうです。
畑を案内してくださりコーヒーまでごちそうになりまして、この農園を後にしました。
さあ、次はどこへいくのかな?と思っていたらどんどん山の奥へ!
着いたところはさらに山の中の施設でした。
施設の教育責任者の方が案内をしてくださいました。
この施設は、イルモンテと言って、土日はレストランとして、月曜から金曜は障害者が通っているレストラン兼施設です。
平日は主にベンチの整備、お掃除、生パスタやパン作り、育てたラベンダーを育てたりしているそうです。
生産活動をすることで動機付けになり、人さまのためにやっている!と感じることができるそうです。休みの日に親と一緒にレストランにくる人もいます。そのことで自分の仕事を客観的にみて、自分のやったことが役に立っている!と実感もできて自信に繋がっています。とおっしゃっていました。
その日もとても暑く、その中作業着でラベンダー畑の整備を行っていましたが、辛い顔ひとつせず(あついよぉー!とアピールする方はいましたが)自然の中で過ごし、パスタ作りや掃除や整備など、喜んでくれる相手のことを思いながら、行っていました。素晴らしいですよね!私もみならわなきゃ!という気持ちでいっぱいでした。
お昼はこのレストランで利用者が心をこめて作ってくださったパスタをごちそうになりました。とても美味しくてあたたかい気持ちになりました。ボローニャの太陽のような明るい笑顔で挨拶してくださる、素直な利用者さんたちを見て私は子どもたちのことを思いだしました。
子どもたちが…お手伝いしたいな!なにかお友たもだちのためにやってあげたい!そう思うのは、まず相手のために何かしてあげたい*と言う”思いやりの心”があふれているからですよね!素直で明るい子どもたちはたくさんの思いやりをもって生まれているんだなぁと感じました。子どもの素直な気持ちを大切に思いやりの心を育てていきたいなぁと強く感じました。
K.S
Posted in 園のこだわり